『カシスウー論』 ~代々木公園のイタリアンレストラン『イル・キャンティ』編~

こんにちは イイダテツヤです。 
第64回『カシスウー論』
は代々木公園にあるイタリアンレストラン『イル・キャンティ』編です。

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イタリアンレストラン『イル・キャンティ』は代々木公園か、代々木八幡の駅から
井の頭通りに向かって2、3分歩いたところにある。

このお店はときどきテレビでも紹介しているので、知っている人も多いだろう。

とにかく、ドレッシングがおいしいお店として有名らしい。

ドレッシングだろうが、マヨネーズだろうが、青のりだろうが、ふりかけだろうが、
おいしくないより、おいしいほうがもちろんいいんだけど、
イタリアンレストランでドレッシングがウリっていうのも、どうなのかねぇ・・・とは思う。

もし私がシェフだったら、けっこう複雑な気持ちになるだろうなぁ。
そりゃそうでしょ、ドレッシングだもん。

仕事の後、近くの居酒屋で深酒した日なんかには、
「どうせみんなドレッシングが目当てなんだろ! 
俺のピッツァやパスタなんてどうでもいいんだっ、ヘンッ!」
なんて言って、グレてしまいそうだ。

そんなシェフには、いささか申し訳ないけれど、
ドレッシングは噂どおり、おいしかったです。

かなりハードルが上がっている状態で食べたので、
ひと口食べた瞬間に「こりゃ、うめぇ」とはならなかったが、
続けて食べているうちに「あれ、これ、やめられないね」とどんどんクセになってきた。

私たちは四人で訪れたのだが、ちょっとした魚料理一品とピザ一枚を食べただけで、
あとは、ひたすらサラダを食べてしまった。

草ばっかり食べて、ごめんよシェフ。

今度行くときは、肉料理も、パスタもオーダーするから、
腐らず、グレずに、がんばってください。


『イル・キャンティ』へ向かう途中、千代田線に乗っていたら、
いかにも賢そうな小学生の三人組に遭遇した。

学校の制服だから、当然といえば当然だけど、
三人ともが紺色の半ズボンに、白い半そでシャツを着て、見るからにお坊ちゃま風である。

大きなランドセルを背負ったまま、三人並んで座席に座り、
真ん中にいる子が持っている雑誌を、三人で夢中で読んでいる。

彼らがあんまり夢中なので、気になって覗き込んでみたら、
彼らが読んでいたのはなんと「ジュニアエラ」だった。

「ジュニアエラ」を知っているだろうか。
小・中学生向けに出版されている、子ども向けアエラのことだ。

子ども向けなので、もちろん平易な表現で書かれてはいるのだが、
扱っている内容自体は政治、経済、社会問題など、一般のアエラとそう大きくは変わらない。

そんなものを夢中で読むなんて、
さすが、賢そうな小学生は興味の対象がまるで違う。

私が小学生の頃、一冊の雑誌をみんなで夢中で読むと言えば、
少年ジャンプか、コロコロコミックスと相場が決まっていた。

それを、紺色半ズボン軍団ときたら、
「日本とアメリカは運命共同体なのか?」とか、
「ギリシャが大混乱」なんていう記事を読んでいるのだ。

偉いと言えば偉いし、怖いと言えば怖いんだけど、
社会のことに興味を持つのはすばらしいことだ。

彼らが夢中になっている「ジュニアエラ」にはどんなことが書いてあるのか
私も興味をひかれたのだが、あんまりしつこく覗き込むと、
ヘンなおじさんになってしまうので、ほどほどにしておいた。 

翌日、本屋で「ジュニアエラ」を買って、読んでみると、これがけっこうおもしろい。

かなり情報を厳選し、徹底してわかりやすく書いているので、
それぞれの記事の精度というか、平等性みたいなものは損なわれているかもしれないが、
その分ざっくりとしていて、内容が非常につかみやすい。 

たとえば、ギリシャの話なら、
ギリシャ政府は「財政赤字はGDPの3%以下だ」と言っていたが、
じつはそれはウソで、本当は13%以上あり、
それがバレて、たいへんなことになったんだよ、という感じで書いてある。

あくまでも「そんな感じ」ってことですよ。
本当はもうちょっと真面目に書いてあるが、わかりやすさで言えば「そんな感じ」だ。

ちなみにジュニアエラによると、借金まみれなのは日本もギリシャも同じだが、
日本の国債は95%を日本人自身が持っていて、
ギリシャの場合は約7割を外国人が持っているので、「さっさと返せ」と厳しく要求されるらしい。

そんなふうに説明されたら、
「なるほどねぇ」「そりゃ、そうだよねぇ」と妙に納得してしまう。

ざっくりとした説明は、ざっくりとしかわからないが、
モノの大枠がざっくりつかめて楽しいのだ。

そのほか、「日本の空港はなぜダメなのか」「時効がなくなる改正について」
「日米安保について」「選挙について」など、
なかなか気になるトピックを、ものすごくシンプルに説明している。

これは、紺色半ズボンならずとも、一度は読んでみる価値があると私は思った。

とはいえ、大の大人が「ジュニアエラ」を買うのは、ちょっとした恥ずかしさもあり、
つい、ドストエフスキーの「罪と罰」の文庫本を一緒に買ってしまった。

「罪と罰」なんて、ちょっと賢そうでしょ。

子供用のニュース誌を、賢そうな岩波文庫で相殺しようとするなんて、
ああ、なんて気が弱いんだ・・・・

それにしても最近の文庫本は、文字が大きく、行間が広くて、読みやすいね。
昔の岩波文庫なんて、「印刷技術の挑戦か!」って言うくらい、
文章がギュッと詰まっていて、読めたもんじゃなかったからね。