『カシスウー論』 ~ホテルグランヴィア広島にあるバーラウンジ『L&R』編~
こんにちは 菓子酢ウーロンです。
第18回『カシスウー論』は、広島駅に直結したホテルグランヴィア広島の21階にあるバーラウンジ『L&R』編です。
ちなみに、『L&R』には「ニューヨーク ダイニング アンド ラウンジ」という
サブタイトルみたいな名称がついているが、便宜上バーラウンジと呼ばせてもらいます。
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このバーラウンジをどうこう言うより、駅にホテルが直結しているというのは、これはもう文句なしに便利である。
特に地方へ取材に行くときには、このスタイルがとてもありがたい。
東京から広島までは新幹線で4時間かかる。
「オマエは座ってるだけだろ!」と言われてしまえばたしかにそうだが、
4時間もの移動をしたら、それなりに疲れる。
どんなに座っているだけだったとしても、
4時間も移動をしたんだから、新幹線の座席とはまた違ったどこかに座って、ひと息つきたいものだ。
私の感覚で言えば、「2時間以上移動したら、ひと息つく」というのが、まともな人間の「移動と休息」の関係性である。
移動中に座ってようが、寝てようが、移動後の休息はまた別だ。
デザートの別腹みたいなもので、腹がいっぱいかどうかは無関係なのだ。
それ以上の割合で休息をとりたがる人はあきらかに体力不足だし、
休息をとらずに次の行動へ移ろうとする人は、紛れもなく『張り切り野郎』だ。
『張り切り野郎』というのは、自分自身が疲れない反面、周囲を3倍疲れさせるから要注意だ。
張り切っている割に仕事の効率や段取りがたいしたことないので、さらに疲れる。
移動後すぐに動き出す『張り切り野郎』に遭遇した際は、とにかく注意してください。
今回のケースでは、午後2時ころに広島について、ホテルにチェックインをして荷物を降ろし、
少しだけ部屋でゆっくりしてから、必要なものだけを持って取材へ向かった。
ホテルが駅に隣接しているからこそできる、穏やかで、アカデミックで、品性のあるスケジュールだ。
昼から始まった取材が終わったとき、すでに11時を回っていた。
かなりの長丁場で、私も同行した出版社の人も疲れきってしまっていたが、
クールダウンのつもりで、21階のバーラウンジ『L&R』へ行くことになった。
平日の深夜なので客は数人しかおらず、窓際のゆったりとしたソファ席に案内された。
肘掛のあるソファに沈み込んで、それなりにきれいな夜景を見ながらカシスウーロンを飲むと、
「う~ん、おいしいなぁ」なんて、ちょっとした酒飲みみたいなことを思ってしまった。
きっと疲れていたのだろう。
前日とは打って変わって、翌日の取材は午後2時半には終了し、同行した人とは現地で解散することになった。
その人は岡山の知人に会うらしく、新幹線に乗ってすぐに出発してしまった。
というわけで、私は一人で広島に残された。
地方へ来て、ある程度まとまった時間ができるというのは、なかなか素敵な瞬間だ。
帰りの新幹線の時間を確認すると、広島を5時過ぎに出れば東京まで直通の「のぞみ」に乗れる。
つまり、あと2時間半は余裕があるというわけだ。
駅の本屋で広島の観光スポットをチェックしてみると、やはり名所は「原爆ドーム」と「宮島」のようだ。
「あまり知られていない穴場的スポット」を期待していた私としては、
「なんだ、やっぱりその2つか・・・」という思いだったが、まあそれは仕方がない。
原爆ドームも宮島も、言ってみればワールドクラスの観光地なのだから、
それ以上を求めるのは贅沢だろう。
お決まりの二者択一だが、どちらかを選ぶとしたら、迷うことなく宮島だ。
原爆ドームには高校の修学旅行で訪れたが、「これっぽっちもおもしろくない」という記憶しかない。
おもしろいとか、おもしろくないという尺度で捉える場所ではないのだろうが、いずれにしても、どうせ行くなら宮島だ。
さっそく私は路面電車の切符を買って、一路宮島へ向かった。
路面電車に乗ってみると、なかなか気分も乗ってきて、
「少しでもいいから、厳島神社が見られれば最高だな」なんてウキウキしてきた。
しかし、この選択がすべての間違いの始まりだった。
「広島と言えば、路面電車でしょ!」という軽い気持ちで乗ったのだが、
宮島口(宮島行きの船の乗り場)までは、なんと一時間以上の時間を要してしまった。
路面電車のなかで、腕時計をチラチラみながら「まだかな、まだかな」と思っていたが、
到着したときはすでに4時近かった。
おいおい、どうしてくれるんだよ。
こんな時間じゃ、このまま引き返しても新幹線に間に合うかどうかわからない。
あわてて地元の人に確認したら、「急いでるなら、山陽本線に乗らなきゃダメだよ! はっはっは」
とのんきに笑われてしまった。
「なんだよ、そんなルートがあったのかよっ!」と思いつつ、
「そうですよねぇ、はっはっは」なんて付き合い笑いもそこそこに、足早に山陽本線の乗り場へと移動した。
結局、宮島へ行くための船着場まで来て、そのまま引き返す羽目になってしまった。
朱色の門も、廻廊も、何も見られないまま私は宮島(といっても、ただの船着場)を後にした。
しかし、このまま帰るのはどうしても癪なので、「ここでしか食べられない宮島名物!」という看板を掲げていた店で、
細長いさつま揚げのようなものを買って、無理やり食べた。
正直、腹は減ってなかったが、何かをせずにはいられなかったのだ。
とはいえ、時間がないので、さつま揚げを持ったまま電車に乗り込んだら、
帰宅途中の女子高生にはジロジロ見られるし、飲み物を買い忘れて喉はカラカラに渇くし、散々な目に遭った。
それでも、山陽本線に乗ると広島までは約30分で、帰りの新幹線にはなんとか間に合った。
新幹線に乗り込む直前、飲み物と、お土産のもみじ饅頭を買っていたら、
そのすぐ横にさっき食べ終えたばかりの「宮島名物」(さつま揚げのようなもの)が普通に売っていた。
なんだよ、なんだよ!
宮島でしか食べられないんじゃなかったのかよ!
と本気で文句を言いたかったが、冷静に考えてみれば、そこまで地域限定のワケがない。
味も、形も普通だったし、そもそも私が買ったのだって宮島じゃない・・・
偶然生まれたスキマ時間に、厳島神社へ行って、
海に浮かぶ朱色の門を見るという素敵なプランはどこへ行ってしまったのだろう。
そんなやりきれない思いを抱えたまま、私は東京行きの新幹線に揺られていた。
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こんにちは 菓子酢ウーロンです。
第18回『カシスウー論』は、広島駅に直結したホテルグランヴィア広島の21階にあるバーラウンジ『L&R』編です。
ちなみに、『L&R』には「ニューヨーク ダイニング アンド ラウンジ」という
サブタイトルみたいな名称がついているが、便宜上バーラウンジと呼ばせてもらいます。
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このバーラウンジをどうこう言うより、駅にホテルが直結しているというのは、これはもう文句なしに便利である。
特に地方へ取材に行くときには、このスタイルがとてもありがたい。
東京から広島までは新幹線で4時間かかる。
「オマエは座ってるだけだろ!」と言われてしまえばたしかにそうだが、
4時間もの移動をしたら、それなりに疲れる。
どんなに座っているだけだったとしても、
4時間も移動をしたんだから、新幹線の座席とはまた違ったどこかに座って、ひと息つきたいものだ。
私の感覚で言えば、「2時間以上移動したら、ひと息つく」というのが、まともな人間の「移動と休息」の関係性である。
移動中に座ってようが、寝てようが、移動後の休息はまた別だ。
デザートの別腹みたいなもので、腹がいっぱいかどうかは無関係なのだ。
それ以上の割合で休息をとりたがる人はあきらかに体力不足だし、
休息をとらずに次の行動へ移ろうとする人は、紛れもなく『張り切り野郎』だ。
『張り切り野郎』というのは、自分自身が疲れない反面、周囲を3倍疲れさせるから要注意だ。
張り切っている割に仕事の効率や段取りがたいしたことないので、さらに疲れる。
移動後すぐに動き出す『張り切り野郎』に遭遇した際は、とにかく注意してください。
今回のケースでは、午後2時ころに広島について、ホテルにチェックインをして荷物を降ろし、
少しだけ部屋でゆっくりしてから、必要なものだけを持って取材へ向かった。
ホテルが駅に隣接しているからこそできる、穏やかで、アカデミックで、品性のあるスケジュールだ。
昼から始まった取材が終わったとき、すでに11時を回っていた。
かなりの長丁場で、私も同行した出版社の人も疲れきってしまっていたが、
クールダウンのつもりで、21階のバーラウンジ『L&R』へ行くことになった。
平日の深夜なので客は数人しかおらず、窓際のゆったりとしたソファ席に案内された。
肘掛のあるソファに沈み込んで、それなりにきれいな夜景を見ながらカシスウーロンを飲むと、
「う~ん、おいしいなぁ」なんて、ちょっとした酒飲みみたいなことを思ってしまった。
きっと疲れていたのだろう。
前日とは打って変わって、翌日の取材は午後2時半には終了し、同行した人とは現地で解散することになった。
その人は岡山の知人に会うらしく、新幹線に乗ってすぐに出発してしまった。
というわけで、私は一人で広島に残された。
地方へ来て、ある程度まとまった時間ができるというのは、なかなか素敵な瞬間だ。
帰りの新幹線の時間を確認すると、広島を5時過ぎに出れば東京まで直通の「のぞみ」に乗れる。
つまり、あと2時間半は余裕があるというわけだ。
駅の本屋で広島の観光スポットをチェックしてみると、やはり名所は「原爆ドーム」と「宮島」のようだ。
「あまり知られていない穴場的スポット」を期待していた私としては、
「なんだ、やっぱりその2つか・・・」という思いだったが、まあそれは仕方がない。
原爆ドームも宮島も、言ってみればワールドクラスの観光地なのだから、
それ以上を求めるのは贅沢だろう。
お決まりの二者択一だが、どちらかを選ぶとしたら、迷うことなく宮島だ。
原爆ドームには高校の修学旅行で訪れたが、「これっぽっちもおもしろくない」という記憶しかない。
おもしろいとか、おもしろくないという尺度で捉える場所ではないのだろうが、いずれにしても、どうせ行くなら宮島だ。
さっそく私は路面電車の切符を買って、一路宮島へ向かった。
路面電車に乗ってみると、なかなか気分も乗ってきて、
「少しでもいいから、厳島神社が見られれば最高だな」なんてウキウキしてきた。
しかし、この選択がすべての間違いの始まりだった。
「広島と言えば、路面電車でしょ!」という軽い気持ちで乗ったのだが、
宮島口(宮島行きの船の乗り場)までは、なんと一時間以上の時間を要してしまった。
路面電車のなかで、腕時計をチラチラみながら「まだかな、まだかな」と思っていたが、
到着したときはすでに4時近かった。
おいおい、どうしてくれるんだよ。
こんな時間じゃ、このまま引き返しても新幹線に間に合うかどうかわからない。
あわてて地元の人に確認したら、「急いでるなら、山陽本線に乗らなきゃダメだよ! はっはっは」
とのんきに笑われてしまった。
「なんだよ、そんなルートがあったのかよっ!」と思いつつ、
「そうですよねぇ、はっはっは」なんて付き合い笑いもそこそこに、足早に山陽本線の乗り場へと移動した。
結局、宮島へ行くための船着場まで来て、そのまま引き返す羽目になってしまった。
朱色の門も、廻廊も、何も見られないまま私は宮島(といっても、ただの船着場)を後にした。
しかし、このまま帰るのはどうしても癪なので、「ここでしか食べられない宮島名物!」という看板を掲げていた店で、
細長いさつま揚げのようなものを買って、無理やり食べた。
正直、腹は減ってなかったが、何かをせずにはいられなかったのだ。
とはいえ、時間がないので、さつま揚げを持ったまま電車に乗り込んだら、
帰宅途中の女子高生にはジロジロ見られるし、飲み物を買い忘れて喉はカラカラに渇くし、散々な目に遭った。
それでも、山陽本線に乗ると広島までは約30分で、帰りの新幹線にはなんとか間に合った。
新幹線に乗り込む直前、飲み物と、お土産のもみじ饅頭を買っていたら、
そのすぐ横にさっき食べ終えたばかりの「宮島名物」(さつま揚げのようなもの)が普通に売っていた。
なんだよ、なんだよ!
宮島でしか食べられないんじゃなかったのかよ!
と本気で文句を言いたかったが、冷静に考えてみれば、そこまで地域限定のワケがない。
味も、形も普通だったし、そもそも私が買ったのだって宮島じゃない・・・
偶然生まれたスキマ時間に、厳島神社へ行って、
海に浮かぶ朱色の門を見るという素敵なプランはどこへ行ってしまったのだろう。
そんなやりきれない思いを抱えたまま、私は東京行きの新幹線に揺られていた。
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