『カシスウー論』 ~『マンダリン・オリエンタル東京のラウンジ』編~
こんにちは 菓子酢ウーロンです。
第9回「カシスウー論」は、日本橋にあるマンダリン・オリエンタル東京の38階にあるラウンジ編です。
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ゴージャスで、ラグジュアリーなムードを楽しみたいときは、
一流ホテルの最上階にあるラウンジで、東京の街を一望しながらお茶を飲むのも悪くない。
今回の『カシスウー論』は、まさにそんな雰囲気の店を取り上げる。
正直に言って、私の場合はもう少し庶民的なところのほうが落ち着くのだが、
リラックスしている振りをしながら、「ここは落ち着くなぁ」なんて過剰にアピールするのも、
それはそれで楽しい。
マンダリンのラウンジはそんな遊びにうってつけの場所である。
場所が場所だけあってカフェオレが1杯1500円くらいするが、
38階というロケーションに300円、
天井から足元まで続いている大きな窓ガラスに200円、
心地よく沈み込めるシックなソファに200円、
ふかふかのじゅうたんのうえを、滑るように近づいてくるスノッブなウェイターに200円、
これだけの分を差し引くと、残りは600円になる。
夕暮れの素敵な太陽とか、眠らない街の夜景など、
ビューポイントのオプションがつけば、ドリンクのお得感はさらに増すだろう。
「強引に楽しむ午後のひと時・・・・プライスレス」
いまの私は、まあそんな感じだ。
私がそんなアホみたいなカネ勘定をしているとき、
2つほど離れた席に、いかにも仕事ができそうな女性がやってきた。
年齢は30代後半、少し光沢のあるグレーのスーツをタイトに決めて、
眼下に広がる景色になんて、まるで興味を示さなかった。
「一人でゆっくり考えたいときは、ここにくるようにしているの」
とでも言い出しそうな慣れた雰囲気で、彼女は飲み物をオーダーした。
ソファに浅く腰掛けると、彼女はすぐに書類を取り出して、
「私が仕事をしているときの、左斜め45度の横顔は最高でしょ」
という威圧的なムードを漂わせつつ、仕事を開始した。
そこまでにかかった時間は、わずか1分。
高級化粧品のCMを見ているような、非日常のワンシーンだった。
典型的な『できる女性』だ。
ちょうどその日、私は取材である経営者にインタビューをして、
「できる女性の遺伝子が危機に瀕している」という話を聞いたばかりだった。
その人の主張はこうだ。
男も女も、「優秀」「普通」「ダメ」という3つの層に分けられる。
お互いが自分と同等の相手を選ぶうちはいいが、
そもそも女性は、より優秀な子孫を残すために、自分よりも優れたパートナーを探す傾向にある。
そのためバランスが崩れてしまうのだ。
普通の女性 → 優秀な男を選ぶ。
ダメな女性 → 普通の男を選ぶ。
その結果、優秀な女性とダメな男が余ってしまうわけだ。
優秀な女性は、あわてて優秀な男を探し始めるが、
気がついたときには、普通の女性にすべて持っていかれている。
よって、優秀な女性の遺伝子は損なわれてしまうという主張だ。
100%その通りだとは思わないが、
それなりの説得力はあるし、おもしろい説だとは思う。
1500円のカフェオレを飲みながら考えるほどのテーマでもないし、
そもそも私が関与する問題でもないが、
私には、今すぐ考えなければならないほどシリアスで切迫した問題など何もない。
きっと私は、能天気で、ヒマな人間なんだろう。
「ひょっとして私はダメな男の代表として、このマンダリンのラウンジにいるのだろうか」という気持ちになってくる。
たしかに、アフタヌーンティーを楽しむ金持ちのおばちゃん連中を除けば、ヒマそうなのは私しかいない。
ここに映画のプロデューサーがやってきて、ダメな男のエキストラを選ぶとしたら、
私の前にやってきて、「君、ちょっと時間あるかな?」と言うに決まっている。
私のほうも、「ええまあ、少しなら・・・」なんて言いながら、
結局は出演をOKしてしまうのだろう。
世間のマッチングから漏れた『できる女』は、むずかしそうな書類をチェックし、
能天気でヒマな『ダメ男』は、無益な妄想を膨らませて時間を浪費する。
この無残な現実を見る限り、
彼女のすばらしい遺伝子は損なわれてしまうだろう。
そんなどうでもいいことをうだうだ考えていると、
ウェイターが音もなく近寄ってきて、「何か、おかわりはいかがですか?」と私に尋ねた。
私はそれを断って、会計をお願いした。
だって、能天気でヒマな男がいつまでもマンダリンのラウンジにいるべきじゃないでしょ・・・・
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一流ホテルの最上階にあるラウンジで、東京の街を一望しながらお茶を飲むのも悪くない。
今回の『カシスウー論』は、まさにそんな雰囲気の店を取り上げる。
正直に言って、私の場合はもう少し庶民的なところのほうが落ち着くのだが、
リラックスしている振りをしながら、「ここは落ち着くなぁ」なんて過剰にアピールするのも、
それはそれで楽しい。
マンダリンのラウンジはそんな遊びにうってつけの場所である。
場所が場所だけあってカフェオレが1杯1500円くらいするが、
38階というロケーションに300円、
天井から足元まで続いている大きな窓ガラスに200円、
心地よく沈み込めるシックなソファに200円、
ふかふかのじゅうたんのうえを、滑るように近づいてくるスノッブなウェイターに200円、
これだけの分を差し引くと、残りは600円になる。
夕暮れの素敵な太陽とか、眠らない街の夜景など、
ビューポイントのオプションがつけば、ドリンクのお得感はさらに増すだろう。
「強引に楽しむ午後のひと時・・・・プライスレス」
いまの私は、まあそんな感じだ。
私がそんなアホみたいなカネ勘定をしているとき、
2つほど離れた席に、いかにも仕事ができそうな女性がやってきた。
年齢は30代後半、少し光沢のあるグレーのスーツをタイトに決めて、
眼下に広がる景色になんて、まるで興味を示さなかった。
「一人でゆっくり考えたいときは、ここにくるようにしているの」
とでも言い出しそうな慣れた雰囲気で、彼女は飲み物をオーダーした。
ソファに浅く腰掛けると、彼女はすぐに書類を取り出して、
「私が仕事をしているときの、左斜め45度の横顔は最高でしょ」
という威圧的なムードを漂わせつつ、仕事を開始した。
そこまでにかかった時間は、わずか1分。
高級化粧品のCMを見ているような、非日常のワンシーンだった。
典型的な『できる女性』だ。
ちょうどその日、私は取材である経営者にインタビューをして、
「できる女性の遺伝子が危機に瀕している」という話を聞いたばかりだった。
その人の主張はこうだ。
男も女も、「優秀」「普通」「ダメ」という3つの層に分けられる。
お互いが自分と同等の相手を選ぶうちはいいが、
そもそも女性は、より優秀な子孫を残すために、自分よりも優れたパートナーを探す傾向にある。
そのためバランスが崩れてしまうのだ。
普通の女性 → 優秀な男を選ぶ。
ダメな女性 → 普通の男を選ぶ。
その結果、優秀な女性とダメな男が余ってしまうわけだ。
優秀な女性は、あわてて優秀な男を探し始めるが、
気がついたときには、普通の女性にすべて持っていかれている。
よって、優秀な女性の遺伝子は損なわれてしまうという主張だ。
100%その通りだとは思わないが、
それなりの説得力はあるし、おもしろい説だとは思う。
1500円のカフェオレを飲みながら考えるほどのテーマでもないし、
そもそも私が関与する問題でもないが、
私には、今すぐ考えなければならないほどシリアスで切迫した問題など何もない。
きっと私は、能天気で、ヒマな人間なんだろう。
「ひょっとして私はダメな男の代表として、このマンダリンのラウンジにいるのだろうか」という気持ちになってくる。
たしかに、アフタヌーンティーを楽しむ金持ちのおばちゃん連中を除けば、ヒマそうなのは私しかいない。
ここに映画のプロデューサーがやってきて、ダメな男のエキストラを選ぶとしたら、
私の前にやってきて、「君、ちょっと時間あるかな?」と言うに決まっている。
私のほうも、「ええまあ、少しなら・・・」なんて言いながら、
結局は出演をOKしてしまうのだろう。
世間のマッチングから漏れた『できる女』は、むずかしそうな書類をチェックし、
能天気でヒマな『ダメ男』は、無益な妄想を膨らませて時間を浪費する。
この無残な現実を見る限り、
彼女のすばらしい遺伝子は損なわれてしまうだろう。
そんなどうでもいいことをうだうだ考えていると、
ウェイターが音もなく近寄ってきて、「何か、おかわりはいかがですか?」と私に尋ねた。
私はそれを断って、会計をお願いした。
だって、能天気でヒマな男がいつまでもマンダリンのラウンジにいるべきじゃないでしょ・・・・
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