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「ああ、いい天気ですね。」

てちゅみは八王子に住む21歳。

ここ、八王子に越してからもう3年になるというのに、未だに地理が理解できない。

JR八王子駅南口を出て、人の流れに乗って歩いていくと、小さなスクランブル交差点がある。居酒屋のキャッチをするもの、買い物帰りの若者で賑わっているのだが、今日は割かし空いている。交通ルールを守る歩行車はあまりいない。さすが東京というべきなのだろうか。茨城出身のてちゅみも、今では交通ルールを守らない派の一人と化していた。ランプが赤にも関わらず、歩調は弱めず交差点を渡った。


そのまま商店街を真っ直ぐ進むとその建物は見えてくる。




雀荘「毛」


何度通ったか分からないドアを開ける。

「ぃょっ!」

ここの雀荘のマスターである菅野俊がちっっさい声で挨拶をくれる



「菅野さん、今日も声小さいですね、おこです。」

「あっごめんごめんつい癖で声がちいちゃくなっちゃったよ!伸びるのは毛だけでいいのにね!」


「はい。」




いつものお決まりのやり取りをしたあとで、菅野はあつしぼを持ってきてくれる。(あつしぼ=熱いおしぼり)


はずだったのだが‥‥‥






手渡されたのはあつしぼではなく、うまい棒チーズ味だった。


菅野俊はなんともいえない表情でこちらをみている。何か焦っているようなテンパっているような。顔が毛むくじゃらで表情がよく分からない。モンジャラみたい。



(ナンカ変な感じですね。)


二人の間に異様な空気が流れる



てちゅみはうまい棒チーズ味と菅野俊を交互に見た





沈黙を破ったのはてちゅみの携帯だった








プルルルル♪



山内啓から着信


またどうせヘルメット製作委員会のお誘いだろう。と思いつつも、この沈黙を打破できるのなら、と受話器をとる方に指をスライドさせた。


『はい、こちらてちゅみボンヴァルディエ』


菅野俊から目は離さない。本能的に菅野俊がへんなんなっちゃってることは感じ取っていたから。心なしか菅野俊の毛ガさっきよりも伸びている気がする。










「一晃が、や ら れ た。」









「・・・ちょっと何言ってるか分からないです。」

素でサンドウィッチマンの富澤のネタがでてきた。




「かずあき、が・・・!うまい棒・・・ぐはっ!!・・・」


プツっ!ツー・・・ツー・・・ツー・・・





かっつぁんが・・・やられた・・・うまい棒。



うまい棒!?

思考に気を取られたその刹那---------





しゅるしゅるしゅるしゅる!!




菅野の毛がてちゅみをしばりあげた!!!




身動きが取れない


菅野の毛が一層強くてちゅみを縛りあげる!!



(くっ・・・!痛いです!!・さすがにてっちゃんおこ。ペタおこ。)



ピュっ!!



口の中に入っていたガムを丸め、勢いよく菅野めがけて吐き出す


ペチッ



全く効いていない





(絶望。)




頭が朦朧としてくる。死という文字が頭に重くのしかかってくる

てちゅみは相馬灯、、でわなく走馬灯を見つつ、死を覚悟した。







?『そこまでだぶぅううう!!!!』


????





そこには豚の付け鼻をした人みたいな豚がたっていた。





続く










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