何これ、◯◯いるけど?!

……え?ああ、はい…

他人行儀な返事をする元夫。
多分そんなやり取りをしたと思うゲロー

寝ぼけまなこで
いかにも面倒臭そうに答え始める元夫ムキー
自分だけキレてるのが馬鹿みたいだった

そして目の前で削除してもらったが
『ちょっと待ってよ???』と思い
アドレス帳も見せてもらうと
ここにもまだいたムカムカ



ねぇ、本当に別れたの??

…ああ。うん…

一切目も合わさず
消せばいいんでしょ?と言わんばかりに
適当な感じで削除する姿真顔

ああ…無理かもしれない

瞬時によぎった気持ちだったもやもや


この日はまるで他人になったみたいに
部屋の中で会話の一切もなかった

そして、元夫は
無言で家を出て行く

出て行ったんじゃないかゲッソリ
ドキドキする私を知らずか
1時間後くらいには平然と帰宅する

そして、付き合ってる頃のように
DVDを借りてお菓子を買ってきてハッ
どうにか空気を良くしようとしてるのか
私の飲み物も用意なんかしてハッハッ
テレビをつけて見始めるのだえー?


そんなことより
謝罪と安心が欲しい


私は頭はこのことでいっぱいだったから
映画もお菓子も何にも入ってこないもやもや

そして、ぼんやりと
自分は大きな霧の中にいる
と思った。



真実が何も見えないのだ。
目の前にいる1番の頼れるはずの人も
何を考えてるのか一切わからない。

自分の思考能力が停止していくようだった。


何も考えたくない。
何も捜したくない。
何も見たくない。

そうしたら平和なんだ。
そうしたらこうやって温和に過ごせる。

私が捜したから悪かったんだろう。
突っ込まなければこんなことにはならずに
何も知らずに生活できたかも知れない。

そうだ、私がいけなかったんだ。
私が変わらなきゃダメだ。
私が私でいる限り




彼は不倫する
(そんなことはないと
今だったら大声で言えるのに)