守ってあげたい系皇帝/フランツ・ヨーゼフ【エリザベート】 | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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40代以降男性の良さを世界に発信し続ける孤高のブログ

 

※大杉漣さんのニュースがまだ信じられないくらいですが、

やっぱり書き溜めて腐らせるのもよくないので、予定通り更新いたします。

 

私がエリザベートを初めて見たのは、中学生の時でした。

学校の情操教育かなんかでミュージカルが見られるというずいぶん贅沢なプログラムで

まだ帝国劇場で始まったばかりのエリザベートを観劇したのです。

その当時は、まさか当時の青年役が主役にキャスティングされもう一度出演するほどに

ロングランコンテンツになるとは思ってもいませんでした。

 

エリザベートは、オーストリア=ハンガリー帝国の皇后の一生を描いた作品ですが

ヒロインエリザベートに対して恋人役が死神というファンタジー要素もある作品でした。

全体の進行役としては彼女を暗殺したルキーニが全編にわたって登場し

当時は初演キャストの高嶋兄が良い感じで格好良くて好きでした。

が、今回はルキーニの話はしません。今回の主役は、フランツ・ヨーゼフくんです!!

 

 

フランツ・ヨーゼフ(以下フランツ)はエリザベートの婿ですが

そもそも彼女の姉と結婚する予定だったのに付き添いのエリザベートに惚れたもんだから

その初速をつけたまま彼女との結婚に持ち込んだという過去を持つ皇帝です。

こう聞くと「あっ、いつも言ってる大好きなタイプのワガママ系面倒おっさんね」と

思うかも知れませんが、これが違うんですね。

まあ面倒なところは変わらないかもしれんけど、フランツのワガママは

ミュージカルを見る限り、この結婚の時にしか発揮されていません。

 

 

今回はミュージカルをベースに話をするので史実とは違うかも知れませんが

フランツくんはその母親にスパルタ系の母がいるため、自分の意見は持つ前に死んでおり

それ故エリザベートが「姑しんどい死ぬ」と言ってもオロオロするだけの

一昔前なら最終的に家の車の中とかで半日過ごしそうな悲しいおっさんの性を持っています。

 

子供ができないとか、できても女じゃねえかとか言われて公務でもプライベートでも辛くなり

ちょっと商売女を買ったら今度は性病が妻に伝染ってエリザベートがメンヘラ状態になり

唯一産まれた息子はそんな親に愛想を尽かして革命派に身を投じるという

もうミュージカルベースのフランツはただただ可哀想です。

そして、それが、おっさんです。かわいそうは、かわいい。世の中の真理ですね。

 

 

因みに初演ではこのフランツ・ヨーゼフを鈴木壮麻(当時:綜馬)さんが演じていて

当時が多分40になったかならないかくらいの年齢でした。

つまり、おっさんの入口として最高の「かわいそうなおっさん」を演じたのです。

これはもう、おっさんのおっさん形態模写というか(??)とにかく素晴らしく、

結果Wikipediaには「フランツ・ヨーゼフは当たり役」と書かれています。私もそう思う。

 

作品は一貫して「エリザベートと彼女を愛した死神トート」の話をしているため

実はフランツ・ヨーゼフはほとんど「役に立たない上に浮気される可哀想なおっさん」

という感じの地味な扱いになってしまっています。

大体いつも「つらい」「エリザベートがこっち向いてくんない」「しんどい」とか

そういうことばっかり話しているのがフランツです。かわいそうですね。かわいいですね。

当然エリザベートは暗殺で死んじゃうので、フランツの思いは全然報われません。

トートにただただ翻弄されて苦しみもがく曲もあるんですが、最高でした。今もよく聞きます。

 

 

何が言いたいかと言うと、「苦しみ悶えるおっさんは良いよね」ということです。

しかも鈴木壮麻、顔が良い。それに苦しみ悶えるおっさんを演らせて

あまつさえ中学生の情操教育として見せる東宝は・・・本当・・・大丈夫か?責任とってくれ。

しかも当時、トートは当時山口祐一郎と内野聖陽のダブルキャストで、

エリザベートの息子役は井上芳雄というちょっと豪華すぎる感じでした。すごい。

 

 

なんか・・・語りすぎたな・・・。

とりあえずエリザベートは別キャストで今でもたまに上演されているので

もし興味があれば、是非フランツを見に行って下さい。

キーボード勢いよく叩きすぎて指が痛いのでこの辺にします。

そういえば一般おっさんにしたいとか言ってたけど別の人になってしまった。まあいいか。

 

次回は一般おっさんにできるかなぁ?どうぞお楽しみに。