伊達男にも健忘症にもなれる70代【龍三と七人の子分たち】/山本故夫 | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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少々間が空きましたが、「龍三と七人の子分たち」シリーズ復活です。

今回は組の2番手だった若頭のマサ。本名のどこにもマサ要素がないのがチャームポイント。

「故夫」って「まさお」って読まないよね?(読むのか?)

どちらかというと役者の本名が近藤正臣なので、それでなのだろうか…。

年齢は不明ですが、近藤正臣自身は撮影当時73歳です。おっさんていうかおじいちゃんですね。

当ブログは48を超えている男性に対しては一方的な全肯定と賞賛を浴びせているので

73だろうと730だろうとおっさんであり素晴らしいのです。おめでとうございます。

 

 

マサはチャームポイントだらけのキャラクターでして、

すぐ丁半賭博に持っていくという判で押したようなチンピラ感もかなり魅力ですし

枯れ尾花のようなレギュラー陣の中で1人だけ80年代ギャルみたいな格好も目立ちます。

髪の毛も綺麗に真っ白で、まるで白狐を思わせる佇まいですよ。美しい。ヒロイン格。

…とか言ってたらこの映画の宣伝で近藤正臣が藤竜也に壁ドンされてたので滅多言えませんね。

 

服装は本当に派手で、ストライプの濃いスーツに一昔前の鎖柄シャツを合わせたりします。

ラフな格好でも、めっちゃ太い白のストライプに赤の差し色が入ったトレーナーとかで

普通の老人というか普通の日本人男性は選ばなさそうなところが良い。生きる気力を感じる。

しかも派手なものにありがちな「派手だけど安っぽい」のではなく

「派手だけど高価で品があり、イケメンが着ると効果を発揮する」タイプなのがやばい。

近藤正臣の本質は白狐の髪と柔和な表情と美肌で構成されたどイケメンですからね。

 

 

さて、マサの魅力はこれだけではありません。

彼はここまで格好良いし高そうな服を着ているのに、生活保護で過ごしているのです。

いやそりゃ70代前半で働いている訳でもないし家族にも見放されてる設定だから当然だけど

一体あの高そうな服をどこにしまってるんだ?というくらい狭い団地の一角に住んでいます。

このマサの団地にそっくりな大型団地がうちの近所にあったんですが、先日解体されました。

 

そこに業者を装った羽毛布団の販売員がやってきたりするんですけど

この販売員に対応する時のマサなんかは完全に健忘症のおじいちゃんですよ。

服装もほとんど記憶に残らないくらいの地味さだし、最初新キャラかと思った。

いかにもプライドが高そうな伊達男おじいちゃんが健忘症にまでなりきれるって可愛過ぎない?

そういう彼らを私は男と呼びたいんだよね。この作品には男しか出てきません。

 

 

しかし「男しか出てきません」というのはマジの話で、本当に女っ気がない本作なのですが

マサの白狐のような美しい白髪だけでも見ていただきたいと私は思いますね。

必ずしも若い女のロングヘアだけが美しさの象徴ではないのだよ諸君。

女だけでなく男だって100の顔を持つんだぜという意味でもマサは要注目ポジションです。

若頭のマサ、皆さんどうぞひとつお見知り置きくだせえませ。

 

さて次回は中尾彬が演じる小狡い詐欺師を取り上げます。

あんなにダンディで売っている中尾彬がこんな仕事するなんて、やっぱり映画って最高ですね。

どうぞお楽しみに。