おっさんめんどくさい/高橋龍三(70歳)【龍三と七人の子分たち】 | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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※お絵描きペン紛失ゆえ絵は後で更新します。。


こんにちは、今回から新シリーズ「龍三と七人の子分たち」です。
この映画見たの・・・見たの去年だ・・・・・・。
おっさんしか出てこず、女は出てもほとんどおっさん視点の女のみであり
おっさんの世界観で作られたおっさんフリーダム映画な本作の感想は
マジ北野武のオヤジ感謝ッス!!スゲぇッス!!って感じなんですが
普通に女子が見て面白い作品かどうかは正直不明です。

「龍三と〜」はタイトル通りレギュラーが8人います。
でも、そもそもレギュラーが70代なので、息子役がもう40代超えてて
敵役も普通に安田顕なので、おっさん好きには大変厚遇です。
ていうかこんなピンポイント厚遇映画、他に誰が見るんだ・・・?
バイプレイヤーズでも思ったけど、皆おっさん見るより良いものあるだろ・・・?


そんな呟きは置いておいて、第一回目の龍三親分のお話をしましょう。
「龍三と七人の子分たち」は北野武作品ながらも暴力作品では全く無く
引退後のヤクザ(老人)を扱ったコメディー作品ですので人は死にません。
主人公の高橋龍三は隠居済みのヤクザという哀愁漂う最高の役どころです。
かつてはブイブイ言わした系の人が隠居して弱くなるのすごい良いよね。

しかも、高橋龍三の息子は勝村政信が演じています。
お前・・・・・・おっさんの息子におっさんって・・・・・・しかも受難系。
目はくりくり二重で、劇中9割困っていて、めちゃくちゃキュートですよ。
このキュートガイに「親父、迷惑だから大人しくしててくれ」と言われる龍三は
北野武がどこかで萌えの概念を学んだかなと思わせるほどに最高の光景です。


話としては、龍三がオレオレ詐欺に騙されたのをきっかけに過去の仲間を集め
オレオレ詐欺を始めた新しい半グレ系犯罪組織をぶん殴りに行く話です。
この仲間が「七人の子分たち」です。
でもお察しの通り、七人の子分たちは皆そろいもそろって癖がありすぎるため
親分として活躍する龍三は、彼らより幾分マシの人間として描かれます。

とはいえ面倒くさい。龍三はマジで面倒くさい。
過去の栄光にすがり、隠居してからも何かと現役感をアピる人はよくいますが
龍三は過去の栄光がヤクザの大親分ですからね。アピり迷惑です。
しかも昭和の価値観をどんどん持ち出してくるため、めっちゃ面倒。
勝手に友達家に呼んで冷蔵庫のご飯とか全部食べちゃったりするし。
でも、自分自身も70近い北野武が、おっさんの面倒さを冷静に客観視して
こうやってコメディーに持っていくの、恐ろしいなと思いますね。


でもその面倒さをくすぶらせず、
迷惑とは言え一つの形として行動に起こし昇華させるのは
龍三のクソ面倒くさいところであり、魅力でもありましょう。
いやだって普通、オレオレ詐欺に引っかかった実家のおじいちゃんが
そのまま相談も無しに半グレ組織壊滅させに行ったら困るだろ。

身内だったら笑えないけど、フィクションだしイケメンだしギリ許せる。
そういう大変危なっかしいバランスの上に成り立つのが龍三というキャラです。
藤竜也もよくこんな役柄を受けたよなともはや尊敬します。
まあその周りはもっとヤバいしイケメンでも許されないところがありますが。

という訳で次回は、「龍三と七人の子分たち」の二枚目枠、山本故夫です。
どうぞお楽しみに。