悲哀で万能をカモフラージュする男/大下勇次(60歳)【あぶない刑事シリーズ】 | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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大下勇次

大変遅くなりましたが本日の更新です。
引き続きのあぶ刑事シリーズ。昨日はタカ、と来れば今日はユージですとも!
因みに後述もしますが私はユージ派なので、長くならないように気をつけます。
まああの映画、2人合わせて1人なので、もう何派とか無いんですけどね。


ふたりは不死身キュア

「あぶない刑事」のタカとユージはコンビです。
なぜ彼らが「あぶない」かと言うと、危険な事件に2人で次々頭を突っ込むからです。
上司からは怒られ、後輩からも怒られ、でも何とかなる(死なないから)ので
基本的にはそこまで大事になっていません。
踊る大捜査線で青島が好き勝手やるごとに降格する室井さんを思うとあまりの差に泣ける。

昨日はタカがどんだけ不死身かという話をしましたが、コンビを組むユージも不死身です。
核爆弾を空中に投げて爆発を逃れたり、集団銃撃を受けても1発肩に食らうだけだったり
「さらばあぶない刑事」では最初の方で車がひっくり返るレベルのカーチェイスを行い
「参っちゃったなぁ」みたいなことを言いながら普通に出て来ました。
本編ではもう死んでるんじゃ無いかという描写もあります(まだまだあぶない刑事)。


ユージはおっさんだ

さて、ここで何故私がユージ派かというお話をしましょう。
それは、ユージがおっさんだからです。
皆さんもこのブログと長い付き合いであれば「おっさん」が褒め言葉だとご存じでしょう。
おっさんとは悲哀と共に生きる男のことを述べますが、
ユージは不死身という最強スキルを持ちながらちゃんと悲哀があります。

タカに比べて女関連の騒ぎが少なすぎること、不良に肩入れしても裏切られたりするとこ、
将来(引退後)の予定がタカに比べて全く決まっておらず、見た所友達もいないとこ。。
ユージはタカよりも派手なジャケットを着ているのですが
そのジャケットはさみしい心を誤魔化しているんだね・・・と勝手に深読みしちゃうよね。


おっさんの憧れとしてのあぶ刑事コンビ

そうそう。大事な話をし忘れていました。
あぶ刑事は、彼らタカとユージの可愛さを愛でるためだけのコンテンツでは無く
良い年の男性〜おっさんが見る憧れのハードボイルド物としても高得点です。
何しろタカは高級バイク、ユージは高級車を劇中で乗り回しますし(出自が不明)
ハードボイルド物よろしく後付け高スキル設定の多い事多い事。
ユージがスペイン語話せる設定も今回の最終映画で初めて明かされ(後付けされ)ました。

でね。という事は、この映画二段階で楽しむ事が出来るんですよ。
「タカとユージという2人のおっさんを楽しむ」これが一段階目。
そして「タカとユージ像に憧れるおっさん視聴者を、作品を通して透かし見る」
これが二段階目です。あと「それを作るスタッフのおっさんを透かし見る」という
高度な三段階目もあるので是非お試し下さい。


タカとユージの非現実感は、世のおっさんが憧れる日本のハードボイルドそのものであり
私たちはそこに逆向きで「ハードボイルドになれない生活感のあるおっさん」を
伺い知ることができるのですね。素晴らしくない?隣人を愛そうって気になるよね。

そういう訳で、ハードボイルドがこの世から消えたら大変夢が無い世の中になり
私を始めとするおっさんウォッチャーも得るものは少ないので、
この世にハードボイルドコンテンツが山の様に増えてゆくこと、
そして世界中のおっさんがハードボイルドに夢中になるよう祈ります。


さて、明日も続きます「あぶ刑事」シリーズ。
どうぞお楽しみに。