広告に文化的価値を見出だした人/天野祐吉(享年80歳) | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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あまりの忙しさにブログの冒頭を「お世話になっております」で始めそうです。
このままでは、流れでうっかり社名書きそうで危ないね。


さて今日のおっさんは・・・おっさんというか・・・おじいさんですけど、天野祐吉です。
私は彼が創刊した雑誌「広告批評」が大好きだったので、
天野さんが60代の頃から彼のファンなのです。

「広告批評」で何となくわかる通り、天野祐吉は広告業界を見つめる人でした。
代表著書も『CMウォッチング』『広告天気図』など広告関連ばかり。
だからと言って別に専門的な難しい話を書いている訳では無く
軽やかな文体で、最近気になったCMや心に残った広告文句について書いています。
私が「TV番組とTV番組の間で流れるCMマニア」になったのも天野さんのおかげです。


また、彼は橋本治との付き合いも長く、
私が一番最初に橋本治を知るきっかけとなった幻の小説
『ふしぎとぼくらはなにをしたらよいかの殺人事件』文庫版では,何と後書きを書いてます。
ついでにこの作品を自分の劇団で演劇化したというのも書いてあって・・・(20数年前)
ああ、金を払ってでも見たい。金を払うのは20年前に行けるタイムマシンに対してです。


そんなわけで天野さんは大変感性が豊かで、1人が1日400は目にすると言われる広告に対して
そのクオリティを追究(クリエイターではないので、追求ではない)し続けた人でした。
何度も著書で取り上げられている「トリスハイボールのコピー」の話とか
広告とは、ただ宣伝するだけにあらずという贅沢な楽しみ方を教えてもらいました。
因みにトリスの話は、「天野祐吉 トリスハイボール」あたりでググれば多分出て来ます。

しかし広告とかCMだけで雑誌作れちゃうって、もう広告を文化として捉えてますからね。
なんて豊かな世界なんだろうと思います。
「広告批評」は、webバナー広告が盛んになり始める2009年に休刊してしまいます。
その後は確かにCMを見ても、なかなか予算が少ないのか
全盛期(99~00年)よりも面白くなくなってしまって、私もTVを見なくなりました。

それでも、イラク戦争でアメリカやイラクが国内にどう敵を「宣伝」しているかなど
CMだけに限らない宣伝全般を取り上げる姿勢は、とても面白かったです。
もし古本屋などで「広告批評」を見かけたら、手に取ってみて下さい。


さて次回は・・・明日更新できるかな・・・できなかったとしても
ちょっと画家さんとかを取り上げようかなと思います。
どうぞお楽しみに!