合法ドラッグは紙上にこそある/長尾謙一郎(43歳) | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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今回取り上げるのは長尾謙一郎先生!
何が困るって、この人あんまり顔写真が外に出てないんだよね。
というわけでイラストが似ているかどうかは問わないでください。


長尾謙一郎は・・・一応、ギャグマンガ家・・・ということになっていますが
正直、ノンジャンル過ぎてよくわかりません。
『おしゃれ手帖』の頃は確かに脳髄が溶け出して出てきそうなギャグマンガ家でしたが
最近の作品は、長尾謙一郎自体の持つ何かしらのイメージが
そのまま台詞を乗っけてマンガという形に一応落とし込まれ
スピリッツに印刷されて、とりあえず万人が読める地まで降りてきた・・・みたいな感じでした。
つまり、わけがわからんのです。でも、パワーだけは物凄くある。
言葉じゃ伝わらないからまあ読もう。


私はこの人のマンガを「合法ドラッグ」と呼んでいます。
だって読んだときのトリップ具合やばいんだもん。
私が長尾謙一郎を知るきっかけとなった『ギャラクシー銀座』も
抜け出したいような気持ち悪さと、それでも何だかそこに浸かっていたいような中毒性、
まるで悪い薬のようでした。

山田玲司がたまに描く「ドラッグによって見てしまう幻覚」描写もそうなのですが
私たちが無意識に知っている秩序ある世界から大きく外れた事が彼らの描く世界では起きていて
でも私たちは無意識の求める秩序に従って作品を見るしか無く、
ものすごく読んでいて不安定になる・・・世界の境目がわからなくなる。
あるシーンを見て笑えば良いのか恐怖すれば良いのかわからなくなる・・・
それが彼の作品です。

しかし、歌ってる途中に口から宇宙人が生まれるおばちゃんとか、
エビちゃんを憎みに憎むものすごい巨漢のお姉ちゃんとか、
あまりに現実離れしているキャラクターが沢山出ていた『ギャラクシー銀座』に比べ
最新作『クリームソーダシティ』はもう少し現実に寄っていました。
「どこかにいそうな不気味な人達」を少し極端に描いたのがこの作品で、
そのリアリティが、逆に突如打ち切りの原因となってしまったのかも知れません。


そして『クリームソーダシティ』は、打ち切りからちょうど1年経った今年の5月12日
続編制作のためのクラウドファンディングプロジェクトが満を持して始まりました。
5月21日現時点で、早くも到達率は62%。
正直ギリギリまで集まらなかったら借金してでも金突っ込みたいくらいには応援しています。
マジで。
なぜなら長尾謙一郎の世界は長尾謙一郎しか描くことが出来ないし、
彼の世界に合法ジャンキーとしてハマってしまったらもう抜け出せないからです。

皆も是非合法ドラッグハマって下さい。
単行本なんて600円だし、クラウドファンディングは最低1000円からだよ。
何て懐に優しいドラッグだよ。


と言う訳で今回は完璧に私が私のために書いた記事でした。いつもか?
明日から2日~3日間、ちょいとバタバタするので更新が出来ませんがまた来週。
誰を取り上げるかは、またお楽しみに!