【おっさん候補生シリーズ】20年後に園子温になる青年/平田純(3?歳)【地獄でなぜ悪い】 | だからおっさん最高だって言ってんだろ

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平田純

ファックボンバーズ!

今回は、映画業界のワル、園子温監督作品『地獄でなぜ悪い』から、平田純です。
『地獄でなぜ悪い』は2013年の映画で、園子温が制作20年前に執筆した脚本が元ネタです。
平田純はメインキャストの1人で、園子温の20年前をそのまま体現したようなキャラです。
因みにこの映画、皆大好き星野源も出ているので最高なんですわ。もう。


平田は映画が大好きで、自分の理想とする映画を撮れれば死んでも良いという青年。
高校生の頃から映画が好きな仲間と3人で
「ファックボンバーズ」という自主制作集団を作っていますが
ひょんな事から、彼は自らの理想とする映画を取れる環境に放り込まれます。
そっからの彼の破天荒な活躍が始まるのですが、ネタバレになるので多くは語りません。


今回の「おっさん候補生」シリーズで唯一、彼だけは将来が見えています。
現在の園子温。
もちろん『地獄で~』は自伝では無いので、フィクションですが、
園子温がそれだけの情熱を持って映画を撮りたかった人間だということはわかります。
でもやっぱり、現在の園子温と平田純は現実とフィクションという別の世界の人間なので
平田だけをキャラクターとして見ても、十分に彼は魅力的です。

全編通して描かれるのは、平田の映画に対する狂気とも呼べる情熱です。
ラストに向けて彼はどんどん狂気を纏って行きますが、これがめっちゃ格好良い。
多分、そんな人生を誰もが送りたくて、でも送れないから
実現している平田はすごい格好良いんでしょう。


この映画を見る限りでは、彼はショタオジになる可能性しか秘めていません。
自らの好きなことにだけ一直線。他の迷惑を顧みずにバシバシ進む。
そのまま大人になって、おっさんになって、でも目は少年のまま・・・という。

でも実際園子温は、どちらかというと落ち着きのある映画監督です。
ということは、どこかで彼は「大人」を選んだのかもしれない。
または、実は表に出さないだけで「少年」は根強く住んでいるのかもしれない。
園子温は、いくらでもまだ「平田純」である可能性があるのです。
ああ萌える。


平田純は、一人で二粒美味しいおっさん候補生です。
「園子温」という人間になり得るファンキーな人物としての「平田純」と
園子温とは違う20年後を歩む人物としての「平田純」。
園子温は、「平田純」から20年経ってはじめて
当時「平田純」が撮りたかった映画を撮れたので
3?歳時点で撮りたい映画を撮ってしまった平田純の行く先は、別かもしれません。
そういう事を考えると、たとえその人生の一瞬しかフィルムに収まらなかったキャラクターも
時間的な奥行きを持って生きているように思えます。

さて、明日はおっさん候補生最後の1人。
20代のミュージシャンをご紹介いたします。
どうぞお楽しみに!