1Fのテレビでドイツ語の番組を流したまま、2Fで黙々と仕事をしていたある日。
ふと気づくと、階下から微妙に聞こえるテレビの音が、ものすごく耳障りでした。

音量は大きくない。
内容も聞き取れない。
なのに、なぜか――

誰かが本気で怒っているように聞こえる。

怒鳴っている。
演説している。
鼓舞している。
とにかく感情が強い。

一瞬、本気で思いました。
「……ヒトラー、叫んでない?」

もちろんそんなわけはなく、
流れていたのはHeute Show
ただのドイツの風刺ニュース番組です。

でもね、
ドイツ語って、遠くからぼんやり聞くと、異様にきつく聞こえる言語だと思いませんか。

子音が立ちすぎていて、
抑揚が強くて、
意味がわからないと、
「叱責」か「軍隊」か「革命前夜」みたいに聞こえる。

近所の人が聞いたら、
「え、あの家…誰か軍人に怒られてない?」
って心配されそうなレベルです。

さすがにこれはまずいと思い、
そっとテレビの音量を下げました。
ドイツ語、生活音にすると急に治安が悪くなる問題。


ドイツ語つながりで、最近ちょっと面白かったのが、
電車の中で「ツヴァイ」という会社の広告を見たこと。

「ZWEI」。

いや、
それ、普通にドイツ語じゃん。
「2」じゃん。

日本で見かけると、
急に語学脳が反応します。
「なぜここでツヴァイ?」
「他に候補なかった?」
と、完全に余計なお世話。


あと、これは純粋な疑問なんですが。

Heute Showで、
BremenのAbitur(ドイツの大学入学資格試験)が簡単だ
みたいな感じで、割としっかり馬鹿にされていたんですよね。

え、そうなの?
そんな話、聞いたことないけど?

と思って調べてみたものの、
「Bremenは特別に簡単」という
はっきりした世間の共通認識も見当たらない。

ドイツあるあるなのか、
地方いじりなのか、
それともHeute Show特有の誇張なのか。

ドイツ語圏の人が見たら
「またそれね」
で済むネタなのかもしれませんが、
外から見ると、
どこまで本気かわからないのがドイツの風刺の怖さです。


というわけで、最近の学び。

・ドイツ語は遠くから聞くとだいたい怒っている
・Heute Showは生活音に向かない
・ZWEIは日本でも普通に使われている
・BremenのAbitur問題は、いまだによくわからない

そして今日も私は、
ドイツ語を「意味がわかる距離」で聞くことの大切さを噛みしめています。