ジブリ作品「魔女の宅急便」の原作は日本の小説だと、最近知った。
映画で描かれる風景は、外国をモデルにした日本とはかけ離れたものなので、海外文学が原作だと思い込んでいた。
原作の文庫本が出ると聞いて、さっそく買って読んでみた。
1985年に出版された物語だが、昔話風な話し言葉や文章が印象的。
ジブリ映画では、キキはおっちょこちょいだけどしっかり者、というイメージだった。
原作では、おっちょこちょいなのは変わらないが、映画よりも子どもっぽいあどけなさが感じられた。これまで大切に育てられて、親元を初めて離れた女の子が成長していく過程がより描かれていると思う。
作中のエピソードも、映画よりもほのぼのとした、日常のハプニングやおかしな出来事が多い。日常の中で、普通は遭遇しない、魔女ならではの出来事がちりばめられていて、久々にわくわくした。小学校高学年くらいなら読める物語で、コリコの街でキキが奮闘する部分は子どもにかえったように楽しく読める。しかし、キキが里帰りして数日でコリコが懐かしくなったところでは、「キキは成長したなあ」と、なんだかキキほのぼののお母さんになったような気持ちになった。
原作でも舞台は日本ではなさそうだけれど、人とのかかわりを大切にしながら物語が進んでいくのは、とても日本的だと思う。家族とのつながり、故郷のご近所さんとのつながり、コリコの人たちとのつながり。持ちつ持たれつの生活は、きっと今の日本では難しいだろうと思う。だからこそ、この作品を読んで心が和むのかもしれない。
