春は「異動」の季節だ。
いや春っつったら花粉症とか桜とかいろいろあるだろこのデコ助野郎と言われてもわたくしにとって春は異動の季節だ。
普段だらしない会社員のわたくしでも、というか普段だらしないからこそ、作業量が増えるという意味で「春は異動」の季節なのである。
例年、うちの会社ではだいたい異動の一週間前に人事発表があるのだが、今年は諸々の事情がからんで人事発表が27日だった。
しかも多くのメンバーが異動もしくはデスク引っ越しに関わり、実に慌ただしいこととなった。
無論わたくしも例外ではなかった。
わたくしは異動もデスク引っ越しもなかったが、新年度からの新人と新規作業を、予想以上に引き受けることになったのだった。
もとより頭のネジが人より23本ほど足らないわたくしは、
「複数の人間に、それぞれ別の業務内容を説明し、指示を出す」
ってのが本当に、本当に苦手である。
必ずどっかで、「……あ……こっちの方が、先にしてもらうべき案件だった……」
ってのが出てくる。必ず出る。ほんっと毎回出る。
最近では、
「これ、お客さんからさっき急に追加って言われて!! 急ぎで処理願います!!」
と、作業者と関わりのない発注者のせいにするというテクも覚えたが、それも多分見透かされていると思うので、いつも針の筵の上に座らされているような気分になる。
そんなわけで、年度末はいつも「新人への作業計画」を家に持ち帰って練りに練り倒すのであるが、結局その計画も、実作業中に不測の事態が訪れるとやはり変更後の指示に漏れが出る。私の落としたネジ23本はどこに行けば拾えるのだろうかといつも落ち込む。自分より仕事のできる人が非正規雇用で、たまたま早く入社した私が正社員であるという事実にもへこむ。
昨日だって、私の指示のもと作業してくれてて昨日で契約満了を迎えた人に、最後の挨拶で「頑張ってくださいね!」と励ま「された」くらいだ。ふつう立場的に言うことが逆だろう。
そんな私なので、基本的に指示を出す時は後輩であろうと部下であろうと契約社員であろうと派遣社員であろうといつもやたら低姿勢なのだが、例外も、まあ、ある。
契約社員で、超やる気のねえゆとり男子がいて、私の指示のもと作業を行っていたのだが、昨日で契約満了を迎えた。私を励ました人とは別の人である。
こいつってのが、マーやる気がない。「正社員全員が」殴りたくなるほどやる気がない。
昨日のやりとり
わたくし「今、お客様から急務でこんなに大量の書類が3階に来たので
(↑これは本当)
午前中にこちらでコレコレの処理を終わらせます。
なので午後から、そっちでいつも通りのアレソレの作業をお願いします。
午前中にこちらのコレコレを間に合わすため、
書類を3階から2階へ移動してください」
ゆとり 「午前中にじゃなくって、来週にコレコレが終わってもいいのに~
(↑ 来週からは後任の仕事になるから)
ええ~~、書類の移動、今からですか~~?(ヘラヘラ)」
「急に確定した複数の引き継ぎ」「急に確定した複数の新人教育計画」「ただでさえ忙しい年度末」それプラス、「私の業務に関わりのない業務で来てもらっていた派遣会社の人が、契約満了前に作業が終わっちゃったために、その人たちを遊ばすためにはいかないから何しか仕事を作る仕事を今、なぜか一手に引き受けていて」とゆうわたくしの状況、そんで「派遣会社から来た人にすら最後に『頑張ってください』と励まされしかもその人から個人的に餞別的なお菓子を頂いてしまった」この状況(本当にふつう逆だろう…………)、
そんで年度末関係ないけど「このゆとりに業務を説明するのに今まで費やした時間」が頭の中でぐるんぐるんしていた私は、
「今でしょ!」
という旬のギャグを言う美味しいタイミングをまったく無視し、自分でもびっくりするほど
低い声で
「今すぐやれ」
と、指示したのであった。
しかもその後、やはり自分でもびっくりするほどの
勢いで
「死ぬ気でな」
と言ったのであった。