「飲食店経営をマネジメントとマーケティングの力で加速させる」NEXT5コンサルティングの雑賀です。
先日、女性経営者と女性幹部の方々に囲まれて会食をする機会がありました。会話の中心となったのは、現在赤字となっている店舗をどのように立て直していくかというテーマでした。
経営者は「従業員の声を尊重しながら改善を進めたい」という考えを持っていました。その姿勢自体は素晴らしいものですが、同時に従業員とのハレーションを恐れ、大胆な経営判断に踏み込めずにいる印象を受けました。確かに現場の意見を取り入れることは重要です。しかし赤字という現実は経営者自身が背負わなければならず、従業員にその責任を委ねることはできません。赤字が続けば誰も幸せにはならず、単なる問題の先送りにすぎないのです。
一方、幹部は現場の感情的な意見に振り回されることなく、あくまで「経営改善」という目的に集中し、冷静に判断する姿勢を示していました。その態度は組織を正しい方向へ導くうえで欠かせないものであり、非常に心強く映りました。そしてもう一つ大切なのは、幹部が経営者に対して遠慮なく意見を伝えられる関係性が築かれていることです。実際には、経営者に対してはっきりと意見を言える幹部は多くありません。だからこそ、率直に意見を交わせる関係性は、経営再建の大きな武器になるのです。
経営において従業員の意見を無視してよいわけではありません。ですが、最終的な意思決定を下すのは経営者であり、その責任から逃れることはできません。従業員は責任を取れない立場だからこそ、最終的に舵を取るのは経営者の役割です。そしてその決断を支えるのが、幹部の冷静な分析と、耳の痛いことであっても伝える勇気なのです。
経営者が店舗の赤字という厳しい現実にしっかりと向き合い、幹部と共に覚悟を持って主導権を握ったとき、初めて店舗は再建への確かな一歩を踏み出せます。赤字を「現場任せ」にするのではなく、経営者自身が主導する。その姿勢こそが組織全体を引き締め、改善を加速させる原動力になります。
まとめ
赤字店舗の再建において最も重要なのは、経営者が「逃げずに向き合う覚悟」を持つことです。そしてその覚悟を現実的な施策へと落とし込むためには、幹部の冷静な判断力と、経営者に対して率直に意見を伝えられる関係性が欠かせません。従業員の声を聞くことは大切ですが、感情に流されてしまえば再建は遠のきます。
経営改善という目的に集中し、経営者が主導権を握り、幹部がそれを力強く支える。この二つが揃ったとき、組織は初めて赤字からの脱却という大きな山を登り始めるのです。赤字の現実に真正面から向き合い、行動に移す――その勇気こそが、未来を切り拓く唯一の道なのです。
