『偽善医療』(藤井聡 木村盛世)読了。

藤井聡も木村盛世も、朝日放送の『教えて!ニュースライブ 正義のミカタ』を視聴

していた頃に良く見たなあという印象で、過去にも共著で出版している『ゼロコロナ

という病』を読んだことがある。

『正義のミカタ』は、Youtubeを本格的に見始めてからは見ていないので(同番組が

ゆるいYoutube番組みたいな内容だったので)、藤井・木村の両名が今も出演してい

るか?は分からない。最近は、藤井氏については『表現者クライテリオン』に伊藤貫

がゲスト出演する際のホストとして見かける程度、木村氏は余り見ることは無くなっ

ていた。調べたところ、木村氏は『もりちゃんねる』という番組を配信しているの

で、また見てみようかな。

 

さて本書の内容は、現在の医療が日本の財政に対し、どういったインパクトを与え

ているのか、そして膨らみ続ける医療費には歴史的にどういった背景があるのかが

データを基に述べられている。その上で、現状の日本の医療には、過剰なもの・科学

的エビデンスに欠けるものがあるのではないかと問題提起、解決策を探るといった

ものになっている。

過剰な医療が日本の財政の足枷になっているというのは、珍しい主張ではなく、これ

までも一部識者が指摘し続けている問題だが、改めてバッグデータやここに至る歴史

的背景を示されると暗澹たる気分になる。この問題を解決するには、日本人が「安易

に医者にかかるな」「無意味な延命治療をするな」といった常識に目覚めるしかないの

だが、なかなか難しそうだ。

 

日本の「生命は何よりも大切」「1人の生命は地球より重い」といった価値観は、大東

亜戦後の教育で根付いたものだろうが、これが簡単に覆るかといえば、なかなか想像

し辛いと感じる。

身内の恥話だが、オレのじいさんが末期医療に突入する際、叔父・叔母・オレのオヤ

ジの3人が、じいさんに胃瘻するかしないかで揉めに揉めた。結局、反対派の叔母・

オヤジ連合が勝利し、じいさんは他界したが、この問題をきっかけにオヤジら兄弟の

人間関係は破綻した。

オレもこの問題については、90歳を超える老人に胃瘻までして延命することに何の意

味があるのかと思ったが、叔父はそれでも延命させたかったのだろう。

現在、この叔父と同じように考える日本人は、相当割合いるだろうし、今後、大幅に

割合が減るとも思えない(※少なくとも団塊の世代が生きているうちは。団塊の世代

がどんどん死んでいく中で、意味のない延命治療向けの財政負担が大きくなり過ぎて

強制的に変化するのではないかと期待しているが、それまで日本がもつだろうか)。

 

オレは、家内やガキには、何かあっても延命治療はしないで欲しいとは言っている。

何かあった場合に、救急車を呼ばない方がコロリと死ねることは、理屈では解って

いるが、実践できるかどうか。人間、いざ死ぬにしても気合を入れて死なねばなら

ないな。