『日本ポップス史 1966-2023 あの音楽家の何がすごかったのか』(スージー鈴
木)読了。
オレがこれまでに読んできたスージー鈴木の音楽評論本は、例えば桑田佳祐や沢田
研二など、特定の対象を掘り下げるものが多かったが、今回は特定の対象ではなく、
1966年から現在に至るまで、いつの時代の誰がどのようにすごかったか、通史とし
て紹介・評論する内容となっている。
1966年のかまやつひろしに始まり、72年の吉田拓郎、80年の忌野清志郎、93年の小
室哲哉から、2023年のVaundyに至るまで、計30人ほどのミュージシャンが取り上げ
られている。
オレが中学の頃から聞いているミュージシャンでは、吉田拓郎・桑田佳祐・岡村靖
幸が取り上げられており、あらかじめの知識もそれなりにあるので特に面白く読む
ことが出来た。
オレが余り関心の無いミュージシャン(矢沢永吉や小田和正、小沢健二など)も取
り上げられているが、通史として読むと、そもそも知らないことも多いので、それ
なりに興味をもって読むことが出来た。矢沢永吉はジョニー大倉とセットで取り上
げられているが、成り上がった矢沢に比べるとジョニー大倉はイマイチな印象が強
かったが、本書でどういった功績のあった人なのか、初めて知った。
あとミッキー吉野の章で、ゴダイゴの有名な曲(『ガンダーラ』『MonkeyMagic』、
『ビューティフル・ネーム』『銀河鉄道999』)が、78年10月から79年7月という短期
間で連発されたものということを知らなかったので驚いた。お笑い芸人に旬がある
ように、ミュージシャンにも旬があるのだろうな(ちなみにミッキー吉野が関わっ
た中で一番好きな曲は『愛する君に』だ。演奏での参加だが)。
この数十年の日本ポップスのヒット史を大まかに掴むという意味では面白い本だっ
た。興味がある方にはオススメできる本。
ただ、スージー鈴木本人もあとがきで触れているが、自分語りの含有率がやや高め
の印象があるな。オレは著者の音楽分析には関心があるが、著者本人にはあまり関
心が無いので、その点、ちょっと読みにくいところもあった。
どんな表現物にも作者本人が入るのは当たり前のことなんだけど、評論は音楽や小
説と異なり、自分以外の表現物を語ることになるので、どれくらい自分語りを入れ
るか、バランスを取るのは難しいのだろうね。