『文庫版 近畿地方のある場所について』(背筋)読了。

元々は、Web小説投稿サイト「カクヨム」に投稿されたホラー小説だが、映画化さ

れるにあたり(25年8月8日公開)、文庫版が発売されたものを購入。Web版のほか、

単行本版、マンガ版もあるが、オレはこの文庫版で、初めて本作に触れた。普段、

フィクションは余り読まないのだが、大阪在住の身としては、タイトルに魅かれて

購入した。

 

小説ではあるが、モキュメンタリーの手法を取っているので、ノンフィクションが

好きな読者は読みやすいのではないか。

内容は、主人公(出版社勤務、オカルト雑誌の編集経験者。現在は副編集長)が、

新たにオカルトを題材にしたムック本を出版するにあたり、かつてオカルト雑誌を

手掛けていた頃の同僚と共に特集記事を作成するが、その過程で、過去に記事にし

た様々な事象がつながり真相が明らかになっていく、、、というもの。

 

結論から言うと、面白かった。怖いかと問われれば、そんなに怖くは無いが、過去

の様々な記事や、読者からの投稿、Web上の書き込みなどが、ほんのり不気味で、

それらが徐々につながって行く構成に感心した。

ホラーなのでミステリと異なって、穴があったり、つながりがイマイチでも超常的

な言い訳が可能なのに、散りばめられた問題が一応の決着までつなげたのは、立派

というか、力作だと思う。

ただ逆に、(一応とはいえ)伏線をおおよそ回収した結果、わりとこじんまりとまと

まった印象もあり、「結局、あれは何やってん」みたいな理不尽な怪談が好きなオレ

にとっては、ちょっと残念な気もしたね。

夏季休暇に余り固くない本でも読もうか、という方にはオススメ。

 

あと、文庫の帯に映画の情報が記載されており、主演は菅野美穂と赤楚衛二とのこ

と。オレは最近の映画やドラマを見ていないので若い役者の知識はほとんど無いが、

珍しく赤楚は知ってたな。

うちのガキが幼稚園の頃、仮面ライダーにハマり、当時放送中の『仮面ライダービ

ルド』を強制的に見させられたのだが、その際に2号ライダーみたいな役で出演して

いた。

『近畿地方のある場所について』の写真では落ち着いたイメージだが、『ビルド』で

は熱血バカみたいな役だったせいか、見た目の落差に結構な違和感があり、これは

これでミステリーというかホラーというか何というか。