『諸葛孔明 陳寿が「三国志」に秘した真実』(渡邉義浩著)読了。
オレが三国志に初めて触れたのは、ガキの頃にNHKで放送していた『人形劇 三国
志』だった。まだ幼い頃だったので、どこまで内容を理解して見ていたかは怪しい
ものだが、子供心に「人形劇」とは思えないくらい立派でリアルな人形に感心した
ことを覚えている。
人形は川本喜八郎によるもので、いずれもキャラが立っており、いまだに三国志の
登場人物といえば、川本が造形したものが思い浮かぶ。なので、孔明というと森本
レオの声で話すアレなわけだ。
最初から話が横道に逸れまくっているが、ガキの頃の刷り込みのせいか、同じく川
本喜八郎が人形制作したNHKの『人形歴史スペクタクル 平家物語』も好きな作品
だ。劇中に出てくる良い女は全て紺野美沙子が声を充てていたので、いまだに紺野
を見ると「おお、良い女の声の人だ」とか思う。
昨年末に『男の隠れ家』の別冊として発売されたムック『川本喜八郎の世界 人形
とアニメーションの美学』を読んで知ったのだが、川本は2000年代には『項羽と劉
邦』の人形劇化の企画に向けて、人形制作を進めていたが、2010年の川本の死去に
より実現に至らなかったとのこと。オレはこの話は全く知らなかったので、感心す
ると同時に、何と勿体ないことかと心から残念に思っている。
さて、本書の話に戻るが、内容は陳寿の記した『三国志』、『諸葛氏集』(孔明の書簡
や詩を集めた著作集)に基づき、孔明がどういった人物であったかを紐解いていく
ものとなっている。
オレは三国志マニアではなく、精々、上記の人形劇と吉川英治の小説、横山光輝の
マンガ、光栄の『三國志』シリーズ(しかも初代からⅢまで)、『蒼天航路』あたり
で得た知識がある程度なので、本書で取り上げられることで「何となく知っている
つもりだったが、実際はこういう内容だったのか」と感心することが多かった。
例えば、後漢時代の名士というものがどういった連中だったか、荊州学とはどうい
ったものか、劉焉がどういった経緯で益州を統治し、どういった統治上の問題が
あったか、、、などなど。
マニアにとって面白いかは分からないが、三国志を凡そ知っていて、ちょっと深い
ところに興味がある層にはお薦めできる本だと思う。
また話は逸れるが、陳寿の『三国志』で諸葛孔明といえばスーパースターだが、光
栄の孔明は、イマイチなんだよな。軍師としての的中率が高いとか火計がやたら成
功するとか、頑張って孔明感を出そうと努力しているのは理解できるが、物語のよ
うに大局を動かすのは、ゲームで再現するのは難しいんだろうな。
試しにWebで様々なゲームの孔明を調べたが、一番チートなのはファミコン『天地
を喰らうⅡ 諸葛孔明伝』の孔明だそうだ。孔明は裏技で最強アイテムを無限増殖
できるキャラらしい。何だかなあ。