『アメリカ帝国の衰亡と日本の窮地』(伊藤貫、ジェイソン・モーガン)読了。
伊藤貫はYoutubeで見ており、著作も読んだことがある。一方でジェイソン・モー
ガンは、著作を買ったことも配信を見たことも無かったが、Youtubeのオススメ等
で顔を見たことがあったので、どういった主張をしている人物か興味があり、本書
を購入した。
対談本と思いパラパラ見ると、発言のバランスが随分と偏っている。伊藤の発言が
7~8割程度で残りがモーガン。何故だろうと読み始めたのだが、伊藤による前書き
に回答がある。前書きによると、本書は伊藤とモーガンの対談本として企画された
が、制作過程で諸問題があり、結果的に伊藤の発言が多くなった経緯が記されてい
た。恐らく、対談としては嚙み合わなかった現場などを想像すると、担当編集者は
さぞ大変だったろうと想像できる。
本書の内容は、伊藤が常々主張していることが、改めて述べられている。
冷戦終了後に米国が覇権国になったものの、そもそも世界の一極構造は無理があり、
アメリカの諸政策がロシアやイラクはじめとする世界に災厄をもたらしたこと、そ
ういった政策を進めたオバマやヒラリーなどがどういった人物だったかと語られる。
また、この30年間のアメリカ外交の劣化の背景に、政治家・外交関係者・知識人の
思考力のレベルが落ちているのではないかとの推測。同じことが日本政治にも言え
るのでないかといった内容等々。
伊藤貫がこれまでに述べてきたことと被るところが多いので、同氏の過去の著作・
配信を知っている人にとっては、新たな内容は正直少ないかな、といった印象。ま
た、モーガン氏との直接的な絡みも多くないので、伊藤貫の主張の入門書的なイメ
ージだった。とはいえ、伊藤氏のリアリスト外交の視点はとても説得力があり、今
後の日本の方針がどうあるべきかと考える場合、読む価値のある本だと思う。
先週の高市・トランプ会談については、旧メディアや旧メディア御用達の「知識人」
らが高市がトランプに媚びただの、改憲を主張しているはずの高市が憲法九条を利
用してホルムズ海峡への派兵を断っただのとトンチンカンな批判を繰り返している
が、冷静に見れば現状としてはベストに近い成果を得たのではないか。
現状、日本が自主防衛力のない米国の属領であることを考えた場合、やれトランプ
に物申せだの何だの言ってるの人間は、本当に阿呆だと思う。
日本がとるべき道は、「米国と協調しつつ、米国を説得して自主防衛体制(要するに
核武装)を整え、自由・民主主義陣営各国と連携して平和・独立を維持する」とい
うのが正解だろうと思う。高市がそういった考えで行動しているかどうかは分から
ないが(高市とグローバリズムの距離感が分からない)、少なくとも今回の会談結果
は正解に進む路線には乗っているので、批判している連中は何を考えているのだろ
うね(批判している連中=日本が平和で独立を維持するのがイヤな人々、と考える
と、全て腑に落ちるのだけれども)。