『中国共産党が語れない日中近現代史』(兼原信克・垂秀夫著)読了。
元外交官で、安倍内閣で内閣官房副長官補・国家安全保障局次長を務めた兼原信克
氏と、同じく元外交官で、前駐中国日本国特命全権大使である垂秀夫氏の対談本。
近現代において日中がどのように関わって来たか、今後、どのように関わっていく
べきかを論じる内容。ものすごく面白い本でした。
歴史的には、孫文をはじめとする辛亥革命の主要人物の多くが日本に渡り、明治維
新というものを学んで中国の未来をどうするか考えたという事実があり、そして、
それを支援した日本人が数多くいたという事実がある。
だが、今では日中両国で、そういったことが語られることはほとんど無い。中国で
は、中共にとって日本からの支援があったということが「都合の悪い真実」である
から隠蔽され、日本では、大東亜戦争後、日本がアジアの植民地解放に寄与したと
語ることが許されなかった。
結果、大東亜戦終戦から80年近く事実が伝えられなければ、両国とも歴史が書き換え
られてしまう。自発的にそういった情報を読んだり調べたりでもしない限り、日中間
の歴史を考えるうえで非常に大切なピースを知らないままに、日中関係・歴史問題に
ついて発言する者が増える。
日本の旧メディアで、日中関連についてメチャクチャな発言をする者が多い一因がこ
れだよなと思う(※その他、中共から様々な利益供与をされている者が多いとの背景
もあると思う。誰とは言わないが)。
オレ自身は、一時期、頭山満だの大アジア主義だのに関心を持った時期があり(今も
関心あるが)、関連の書籍を幾らかは読んだことがあったので、本書も面白く読むこ
とが出来た。また、兼原・垂という現代の外交に関わっている両氏が、近現代史の
様々な事象やそれに関わった歴史上の登場人物をどのように評価しているかという
点も興味深かった。
現代史・現在進行中の内容については、恐らくまだまだ表に出せない情報がある中で
開示可能な内容を話されているのだろうが、それでも台湾のエネルギー政策や、香港
民主派の実態、BYDの問題点等など、オレの知らなかった情報も多く取り上げられて
おり、勉強になるところが多かった。
現在の世界・日中関係の状況を考えれば、日本には所謂スパイ組織のようなものは
あって当然ながら、戦後の出鱈目な政治と旧メディアによる日本人への洗脳が効果を
発揮しすぎた結果、未だにそういった組織が設立できず、スパイ防止法も無い状況と
なっている。
昨今、ようやくそういった機運が出てきているのは非常に重要なことで、高市自民で
も参政党でも保守党でも何でもよいので、とにかく日本が少しでも良くなる政治を
進めてほしいものだ(※なお先週、週刊ポストが、垂氏が中国出身女性のマンション
に通っていると報道した。本書を読む限り、何かしらの間違いと思いたいところだ
が、さあどうだろうか)。