『創価学会秘録 池田大作と謀略と裏切りの半世紀』(高橋篤史)読了。

かなり情報量の多い本で、少しずつ読み進めてようやく読み終わった。労作と

いうか力作というか、著者は良くこれだけのことを調べたと感心する。この本

1冊を書くのに、相当な量の資料が必要だったろうな。情報量の多いノンフィク

ションは、やはり面白いね。

 

オレは政治的に早熟なところがあって、今から30年以上前の中高生の頃に、創

価学会・公明党が本当に政教分離しているかという問題に関心を持っていた。

オレの実家は無宗教(世間並みに、正月や冠婚葬祭でのみ、宗教と関わるよう

な家)だったが、選挙時に近所の創価学会のオバハンが、公明党に投票してと

言いに来るのを見て、押し付けがましい連中だとムカついたのがきっかけだっ

たと思う。

なので、龍年光の『池田創価学会を解散させよ 日蓮正宗の敵』などの本を読

んで、創価学会がどういった団体なのか調べたりしていた。今になって考える

と、ヘンなガキだよなあ。


今回、本書を読んで、改めて創価学会がどういった団体か、成り立ちやその後

の歴史を細かく見直すことができたが、怪しさを感じていたガキの頃のオレの

直感・中学生なりに調べて感じた悪辣さへの怒りは正しいと思ったね。

宗教団体とは言いつつ、政治への関わり・他宗派への攻撃・また団体内での内

部抗争。この世に仏が本当に存在しているのならば、関係者全員に仏罰が落ち

るんじゃないかな。

あと、本書には様々な登場人物が出てくるが、特に魅力的なのが(変な言い方

だが)山崎正友だ。日蓮正宗と創価学会の間で様々な謀略を進める様は、スケ

ールの小さな『銀河英雄伝説』のルビンスキーのようで面白かったな。

 

創価学会に限らず、人間のつくる集団(政党や会社等)では、多かれ少なかれ、

本書で見るような、「集団内での出世をめぐる闘争」や「集団の権力を利用して

金銭的利益を得る」、「集団内の立場を利用して女性を得る」等の話は幾らでも

あるだろう。

ただ、公共性の無い団体内で発生するのとは違い、公共性のある(税制上の

優遇を受けている・政治に影響のある)宗教団体内の問題としては、ちょっと

やりきれないと思うわな。