『新視点で読み解く! 関ヶ原合戦と大坂の陣』(歴史街道編集部)読了。雑誌

『歴史街道』に掲載された記事をまとめた本のようだ。タイトルに魅かれて買

ったのだが、思ったほど新しい発見は無かった。

小山評定が実際にあったか、北政所・淀殿の関係性はどうだったか等、最新の

研究に基づき、、、という内容ではあるが、戦国史に多少なりとも関心を持つ人

間にとっては、目新しさに欠ける記事が多かったな。

関ヶ原の際に、毛利輝元の大坂入城後の毛利氏の動き(豊前・伊予等への侵攻)

については知らない内容もあったので、その点は面白かったが。

 

歴史上の新発見も色々とあるが、オレの中では、歴史上の人物のキャラクター

性は、司馬遼太郎の小説や、ガキの頃に見た大河ドラマで固まってしまってい

るな。だから、異なったキャラクター性を提示されると、ちょっと戸惑ってし

まう。

ドラマ的には、北政所と淀殿が協力体制を取っていると違和感あるし、織田信

長は第六天魔王であってほしいし、福島正則は張飛みたいであってほしい。

歴史と歴史ドラマは別物と、きっちり割り切って付き合えば良いわけで、その

上でドラマ的には面白い方が良いよね、という話だ。

 

ただ世の中には、司馬遼太郎の小説や大河ドラマが、歴史的事実を描いたもの

(もしくは、フィクションも混じっているが基本的には歴史に即したもの)と

と捉えているオッサンも一定数いるんだよな。

オレの所属する会社の親会社の会長殿は、数年前の新年挨拶で、「社会人は歴

史を学んだ方が良い。ワシも仕事上の困難に立ち向かうためには歴史の知識が

大切なので、大河ドラマを見て学んどる」みたいな話をして失笑を買っていた

な。頭の悪い会社やな、と思う。そういうところに所属しているオレも、きっ

とロクなものではないのだろう。

先週末から我が社内は、トランプ関税の報復による中国のレアアース輸出規制

で大騒ぎになっているが、会長殿が歴史に学んだ結果、どういった対策を言い

出すのか楽しみだな、と。