夜分にピンチのお知らせ。
直列4気筒妄想フェラーリの
元になったエンジンを積んだ
シェイクスピアなマシンを救出に
夜分の山奥へ出動。
こちらは
V型8気筒オンボロスポーツ乗用車。
クーペボディながら
エマージェンシー的な2+2。
マシンを置き去りで救出にも
ひとみはロンリネス
乗れない青春お断り。
つまりマシンを起動させねば
誰も救われずに寒さで死ぬという
この世の一大事。
ピストン輸送で助け出せば、
そんな野暮なこと耳にしたら
ピストン運動で暖を取ろう！
そう言い返す気マンマンですが
そこはそこ。
この場は助け出した方が
株的には上がり調子なわけで。
人の不幸は蜜の味ではなく
人の不幸はチャンスであると。
取っ捕まえて味わうよりも
恩着せて泳がせろというお話。
ピンチはチャンスというのは
ピンチの人を見つけたら
己のチャンスと思えと
昔の人は申されとります。
これこそまさに
ピンチこそチャンス。
雪道チェーンと
ジャンプスターターは
モテアイテムとして完全に正解。
こんなこともあろうかと
Amazonでおすすめの
ジャンプスターター5099円。
黄色いアクセントの黒いやつ。
これ買っといたのだ！
その名はBeatit。
ビー・ティットと読むのだろうか。
辞書で調べると
ビーは女性の名、
ティットは乳首とある。
なぬー！
やはりこれはモテアイテム！
クラスで人気のビーちゃんの
キュートな乳首をゲット！
そう思いが込められた
ジャンプスターター！
なんかジャンプスターターって
名前からして超ゴキゲン！
たしかに
雨上がりの夜空になんて
有名なナンバーでも
こんな夜にオマエに乗れないなんて
と車に例えたかのような
あ、でも
バッテリーはビンビンだぜって
こちらバッテリーはスッカスカな
小さなジュリア。
いや違う！
バッテリーがビンビンなのは
黄色いアクセントの黒いやつ！
まさに今夜はビートイット！
あー
ビートイットか。
ビートイットの方か。
ジャイケル・マクソンの方の。
中学生のころ
ムーンウォークと
ビートイットの振り付けは
完全にマスターしたボク。
このジャンプスターター
今夜はビートイットも
スマートに使いこなし
シェイクスピアな小さなジュリアに
ビンビンなバッテリーから
エナジー注ぎ込んでやるぜ的な。
と説明書の手順通りにやっても
全然ダメ。
まず説明書が間違っていて
その通りにやると
本気で何にも起きない。
あれこれボタンを押してると
上手いことスタンバイ状態に！
ズボンをおろしたビートイット！
すかさずキーをひねると
ヘッドライトがパパっと瞬きし
なんかスイッチングの音がしただけ。
しかもエンジンかかるどころか
セル回し戻したときに
鍵が抜けなくなった。
救助のつもりが
完全にピンチ！
鍵が抜けなくなったのは
ハンドルロックが掛かったのだろう。
そして電力が足りずに
ロックが戻りもせず
どっかに噛んだ状態だろか。
これは本気でピンチである。
マシンを壊してしまえば
そこまでのホッと暖かな
助けが来た！という
謎の安堵と羨望は一気に吹き飛び
何してくれやがんだという
完全なる怨み一色な冷たさに。
困った。
今夜はビートイット並に困った。
まさに今夜はビートイット。
さっきまで思い浮かべてた
ピンクなビーちゃんのティット。
あの油断がダメだったんやな。
うんうん。
わかるわかる。
と他人事に感じたとて
先ほどまでのバッテリー上がりで
車がウンともスンともいわない
目の前の他人のピンチは、
今まさに己のピンチへと。
ここはひとつ
ピンチをチャンスに変えるべく
今夜はビートイットのように
踊って誤魔化すかね。
なんでもそだけど
力を尽くしたんなら、
やっぱ最後は愛嬌よ。
ばいばーい！