僕は2010年1月にバイク乗車中に後方から大型クレーン車に追突され、対向車と正面衝突する交通事故に遭い、中途障害者となりました。

今は、外出先では電動車椅子を使用しながら生活しています。

 

事故に遭った時は脳への衝撃が強すぎて記憶も飛んでしまっていたので、正直、「痛かった、辛かった」ってことはなかった。

事故以降、記憶にある中で経験した思い出深いのは、「下顎骨折の骨切り術」だなぁ。

 

僕はバイク事故で下の顎を骨折し、ズレた状態で固まってしまっていたので、その手術を受けた後は、しばらく口から食事を摂る事ができませんでした。

17日間ほど鼻の穴から栄養チューブを入れていました。

 

 

当時は「口から食事ができる」ことがこんなにも「有り難いことだったのかぁ」と思いました。

更に手術直後は手の震えがひどかったので、痰(たん)を自分で吸引することができず、看護師さんをナースコールで呼んでも、看護師さんが忙しい時は、なかなか来てもらえず「ただ息をする」ことがとても苦しく、普段意識もせず「息ができる」ことが、ただ、ただ、幸せなことなんだぁ~、と実感しました。

 

この時、マジで苦しかった!笑

 

書字障害になって字が書けなくなって、初めて「文字が書けるだけのこと」が、

膝が曲がらない身体になって初めて「ただ膝が曲がるだけのこと」が、左半身麻痺の身体になって初めて「両手が使えるだけのこと」が、幸せなんだ、と思いました。

「できない」状況になって初めて「できる」ことの有り難さを痛感するのだと思いました。