2013年3月13日(水)、休みでパグ王宅にいると実家の兄がワイヤレスチャイムを持ってきた。
「電源ONすると、電池交換表示のLEDが点滅を繰り返して、使用できない」とのこと。
 
メーカー:ELPA(朝日電器株式会社) MADE IN CHINA
受信器型式:EWS-10
 
 
不具合確認のため電源スイッチをONにすると確かに「電池交換・受信器」と「電池交換・送信器」の表示が交互に点滅を繰り返しており、送信器のスイッチを押してもチャイムが鳴らない。
 
送信器が電波を出しているか広帯域受信機で確認すると、メーカーのHPの仕様にあった313.625MHzで受信が出来るので、不具合は受信器のようである。
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暫く放置していたが、4月15日(日)に受信器の内部をチェック。
左側のコイルと緑色の基板の部分が受信部で、右側の茶色の基板がチャイム音の発生などを行っている部分のようだ。
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右側の基板の「電池交換」のLEDドライブ回路を追いかけると、ハンダ面の黒いエポキシ?で固められた部分が怪しい。
この部分はICなのか?
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黒い部分の内部を確認しようと慎重に削ったつもりだったが、基板のパターンが削れて断線したりして復旧不能状態となった。
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これで万事休す。
と思ったのだが、受信部は正常なはずだと思い、受信部の出力をオシロスコープで確認すると、送信器のスイッチを押したときにパルス波形が何発か繰り返して出ているのが確認できた。
パルス幅:800μS
パルス高:4.6Vp
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そして、このパルスでメロディICを駆動することを思いついた。
ネットで検索して「aitendo」にメロディIC100円と、スピーカドライブ用トランジスタや抵抗、コンデンサの付属回路部品を3月7日に注文。
部品代が370円で、送料が490円で計860円。
部品代より送料が高いってなんだかなーと思うがしょうがない。
 
K1:メロディ(曲)の選択
K2:メロディ開始
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5月11日に付属回路図を参考に回路を組んでみたが、ワイヤレスチャイム受信部の800μSのパルスではメロディICを駆動できず(トランジスタでブーストしてもタメ)、パルス幅を長くする遅延回路を追加する必要がある。
そのためには、タイマーIC「555」を使用するのが一般的のようだが、部品点数が多いのと消費電流を考慮するともっと簡単な回路で出来ないか?
 
そしてネットで見つけたのが、FETを利用した遅延回路。
FETの「ゲートしきい値電圧」のOFFをC,Rの時定数で遅らせて、パルス幅を長くする。
これなら待機時はほとんど電流は消費しないし、部品点数も少ない。
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遅延回路に必要なFETや電解コンデンサなどの部品をいつものように「共立エレパーツ」に注文、と思ったら送料が高い。
どうやら電解コンデンサが定形外郵便対象で無くなったようだ。
送料の安さが魅力だったのに残念。
しょうがないので、注文方法がやや面倒だが小額なら送料が200円と、共立エレパーツに次いで安い「サトー電気」に5月17日に注文。
 
 
部品がそろったところで、6月1日に回路を組んでみる。
そうすると偶然に先の遅延回路のC,Rが無くても、うまい具合にメロディICを駆動できることが分かった。
オシロスコープでソース電圧をチェックすると、1秒くらいONしている。
どうやらFETのG-S間容量(入力容量)によって遅延回路が形成されてパルスが出ている間は、ONを継続するようだ。
 
 
で、最終的な回路図は以下の通り。
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ワイヤレスチャイムの基板を切った張ったで改造。
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メロディICと遅延回路の基板を接着剤で固定。
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ワイヤレスチャイムの設定部。
今回の修理?により「音量」は機能せず。
「設定」はメロディ(曲)の選択が出来る。
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待機時の消費電流は、変動があるが20~300μAと少なめ。
十分ワイヤレスチャイムとして使用できると思う。
が、実家では既に同じワイヤレスチャイムを購入して使用済み。
今回も自己満足の世界のようだ・・・