業績(Aiming) | たにやんのブログ

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会計、開示、その他

最後に軽くこれも。

・Aiming 業績予想の修正に関するお知らせ
http://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=11173&info=1127021
東証の社長の例の「新規上場きちんとしなさい」会見以来、特に新規上場銘柄について、業績修正や次期予想を出す場合、その前提となる事項をかなり詳細に記述しているのを見かけると思います。

それで、同社ですが、その指導が行われる前に上場したので、計画の前提が短信に記載されておらず、なんだ、いきなり下方修正も良くないけど、1か月でこれだけ上方修正するのも駄目じゃないか、と思われる方も多いと思います。
実際、上場時の記述はこれだけでしたので。

(次期の見通し)
当社グループは、オンラインゲームの開発・運営を通して培ってきたノウハウを元に、MMOジャンルの特徴であるリアルタイムコミュニティなどの面白さを提供することで、ユーザー数のさらなる拡大による売上高の増加及び利益率の上昇を見込んでおります。
また、自社開発のみならず海外からのゲームタイトルの調達も視野に入れ、良質なゲームタイトル数の拡充を図ってまいります。

3/25 東京証券取引所マザーズへの上場に伴う当社決算情報等のお知らせ
http://post.tokyoipo.com/visitor/search_by_brand/infofile.php?brand=11173&info=1111397

まあしかし、後付けかもしれませんが、今回の修正にあたり、ここまで詳細にその時の前提を書いていますので、保守的かもしれませんが、中の人も完全には読めなかった、というところも多分にあるのでしょう。実際私も、昔ゲームの事業管理をやっていましたが、読めて3か月先までかと思います。

「平成27年3月25日公表の業績予想数値については、リリース中のタイトルは、業績予想の策定時期であった平成26年10月頃の実績を基に平成27年12月期通期を通して同等規模の推移で策定し、新規タイトルは、同時期の各タイトルの開発状況を考慮して、個別に積み上げて策定しております」
「経費に関しては、広告宣伝費は売上高の 15%~20%程度の規模で想定しており、その他人件費や地代家賃などは前期に比べて増加を見込んでおります。この結果、平成27年12月期の利益率は平成26年12月期に対して大きく増加する見込みとなっておりますが、主な要因は、売上高の増加が費用の増加に比べて相当規模で大きくなっており、且つ、平成26年12月期においては、収支の見込めないタイトルのコンテンツ評価損などコンテンツ償却費の負担が大きかったためであります」

ということで、このように、前提となる文章を書かせることで、投資家もその信憑性について判断ができますし、根拠や前提が提示されると、投資家の側からも予想をすることができるようにもなります。
このような開示の積み重ねがあれば、誠実な会社、嘘つきな会社の見分けもできるようになり、最近はネットがありますので、その評判もすぐに広まることでしょう。

これは「クソ株」や「ハコ会社」の見分けにも使えて、新規事業や海外展開などをぶち上げて株価を上昇させ、上手くいかずに特損を出して大赤字に転落する会社がよくありますが、そのような会社でも、新規事業進出時に、その収益の根拠、スケジュールなどを具体的に書かせることで、クソ株やハコ会社が生まれるのをある程度は抑制することが可能になるかと思います。

始まったばかりの試みですが、これが根付くことを願っております。