2022年は文字通り激動の1年でした。
文系大学院(修士課程)を留年して、卒業に必要な単位を取り切ったのにもかかわらず中退して、修士2年(1回目)と修士2年(2回目)の合計2度の就活を経験して、なおかつ未経験エンジニアとして就職する。
我ながら、なんという情報量でしょう!(笑)
ということで、今回は20222年の振り返りを兼ねつつ、「大学院中退後の就職」や「未経験エンジニア」について書いていきたいと思います。
この記事にたどり着いたということは、あなたは「大学院中退して就職は大丈夫?」や「未経験エンジニアって大丈夫?」といったことが気になっているのでしょう。
私自身、修士課程在籍当時にはこのような検索をしばしばしたものです。
そして、そこで出会った多くの優れた記事は、私が留年・中退・就職という決断をする上で大きな助けとなりました。
この記事がそんな先達たちと肩を並べ、あなたの大きな悩みを解決する一助になることが出来たら、私にとっては望外の喜びです!
※ちなみに
私が大学院を留年&退学するに至った経緯については、以下の記事に詳しく書いてあります。
ぜひご覧ください。
1度目の就活~公務員になりたくて~
私は2度就活をしました。
1度目は留年する前の修士課程2年時に、2度目は留年した後の修士課程2年時にです。
なぜ2度も就活をしたかと言うと、まさか自分が留年する(ましてや退学する)などとは夢にも思っていなかったからです。
「人生何が起こるか分からない」とはよく言ったものですね(笑)。
さて、1度目の就活では公務員(一般行政職)になろうと思いました。
理由は簡単、民間企業の会社員として「やりたいこと」が無かったからです。
民間じゃなければ公務員という、お手本のような消去法で就活の対象を選んだわけです。
そうと決まれば「善は急げ」。
公務員になるためには公務員試験に合格しなくてはならないので、修士課程1年時から独学で勉強を進めていました。
そのかいあって、筆記試験で困ることはありませんでした。
国家公務員総合職・国家公務員一般職・都道府県庁(2か所)の合計4か所の1次試験をパスしました。
しかし、(修士論文は全然進んでないけど)順風満帆に思えた矢先、困ったことが起こりました。
2次試験(面接)対策が進まないのです。
「なぜ公務員になりたいのか?」
「なぜその官庁・都道府県を選ぶのか?」
こんな「受験をする前によく考えておけよ」というような事柄について、私は今更ながらつまづいたのです。
私は必死になって理由を考えました。
ネットで面接対策記事を読み漁りました。
新卒ハローワークや大学のキャリアセンターに行きました。
大学を卒業して公務員になっていた友人に相談しました。
でも「しっくりくる」理由は思いつきませんでした。
そこで私は気づきました。
私は「職業としての公務員」になりたかったのではなく、「ステータスとしての公務員」になりたかったのです。
高い倍率の公務員試験を突破して、周囲から羨望のまなざしをむけられたかったのです。
あるいは、「官僚」とか「事務次官」とか「県庁職員」などという甘美な響きの肩書にあこがれていたのです。
(その傍証として、私は市役所等は政令指定都市を含めて1つも受験しませんでした。)
なんとあさましい理由でしょう!
そして、悪いことは続けて起こります。
「公務員になりたい!」という私の気持ちはどんどん挫かれていきます。
まず、公務員になった友人から裏話を沢山聞きました。
「そんな仕事をしてるの!?」と、まさに「悪い意味」で仰天するような話を沢山聞きました。
そうでなくとも、公務員の仕事を「面白そう」とは思えませんでした。
これに関連して「自分の将来」について疑念が大きくなっていきました。
もし役所が倒産したり公務員という職業が嫌になったりした時に、転職出来るのだろうかという心配が膨らんでいきました。
決定打となったのが、新型コロナウイルスの感染拡大でした。
10万円の特別給付金を覚えているでしょうか?
あの時、手作業で給付申請を確認している公務員の姿を幾度となくテレビで見ました。
「公務員試験を合格できるだけの頭脳を持った人々が、なんというローテクな仕事をしているのだろうか?」
「こんな仕事を私はやりたいのだろうか?」
答えはNoでした。
私は幸運にもある官庁から内定をいただいていましたが、辞退の連絡をしました。
そして友人の助言を容れ、「勤続疲労」から回復するために大学院を留年(休学)することにしました。
こうして私の1度目の就活は終わりました。
2度目の就活~エンジニアになりたくて~
休学(留年)期間に入った私でしたが、そううかうかとしてもいられませんでした。
(ちなみに、休学期間は「ぜったい」に研究はしないと決めていました。だって休「学」期間なのですから。)
公務員が嫌いになった私です。
であれば、民間企業の就活をしなければなりません。
そして、民間企業の就活スタートは早いのです。
私は2月から就活を始めました。
「公務員が嫌だから民間」というと同じ轍を踏んでいるように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
何故なら、なりたい職業とその理由が明確に見えていたからです。
そう、私は「エンジニア」になろうと決意しました。
なぜか。
理由は4つあります。
1つ目は、将来性があると思ったから。
もう耳にタコかと思いますが、それでもやはり今は「ITの時代」だと思います。
なおかつ、日本はデジタル化が遅れているとしばしば指摘されていますが、それは逆に言えば市場拡大の余地が大きいととらえることも出来ます。
縮小市場で働くよりも、拡大市場で働いた方が諸々の「チャンス」がつかみやすいのではないでしょうか?
さらに、IT技術は身に就く技術です。
要するに転職がしやすいわけです。
同業他社はもちろん、「ITの時代」においてはITの素養はどの業界でも役立てることが出来るのではないか?
2つ目は、面白そうだから。
これは私の直観です。
「IT!なんかよく分からないけど、面白そうじゃん!」
これくらいの安易な気持ちです。
でも、仕事と言うのは今後の自分の人生における時間の多くを割く対象になるわけですから、こういった「トキメキ」は大切だと思います。
3つ目は、勉強が好きだから。
私は2度目の就活を始める前に、本腰を入れて「自己分析」をしました。
と言うのも、1度目の就活の時には真面目に取り組まなかったからです。
で、「自己分析」の結果判明したのが、「私は勉強が好きだ」ということ。
「知らないことを知る」や「できないことが出来るようになる」。
こういった「自分の世界が広がる」時に「幸福」を感じていたことに気づきました。
そして、ITと言うのは日進月歩の世界。
日々新しい技術が登場してくるわけですから、エンジニアは常に勉強を継続しなければなりません。
この点、私の「勉強好き」という性質とあっているのではないか、そう考えました。
4つ目は、前述した「ローテク公務員」の姿が脳裏に焼き付いていたから。
やはり、これは強烈な経験でした。
我が国のデジタル化はこれほどまでに遅れているんだと、衝撃を受けました。
だったら、自分がエンジニアになってもっと便利な世の中になるように、微力ながらも貢献したらいいのではないか?
そう思うに至ったのです。
当然、不安はありました。
当時の私はプログラミングの経験は全くありませんでした。
理系ですらありません。
しかし、この新卒というタイミングを逃したら、エンジニアになるのは一層困難になると考えました。
「45歳です。未経験ですがエンジニアになりたいです。」
というのは、不可能とは言いませんが、困難であることは容易に想像ができます。
だったら、現在のスキルではなく将来のポテンシャルを重要視する「新卒一括採用」の特質を上手く利用して、エンジニア界隈に潜り込んでしまうのが得策だと考えました。
要するに、自分が持つ「新卒カード」を最大限に活用しようと思ったわけです。
こうして私は、エンジニアを軸に2度目の就活を始めました。
私は3か月間で30社ほど選考に応募しました。
妥協は一切しません。
就活は「こちらが会社を選ぶ場でもある」と考え、少しでも違和感を感じた会社の選考は辞退しました。
当然、向こう側から「お祈りメール」が送られてくることも幾度となくありました。
結局、最終面接に進めたのは約10社。
ここが鬼門でした。
最終面接まで進めれば容易に内定をもらえるだろうと思っていたのですが、そんなことはありませんでした。
どうしてあと一歩のところで内定ががもらえないのだろうか。
そんな不安と不満を抱きつつも、どうにかこうにか就活を続けました。
最終的に内定をいただけたのは1社でした。
なんかよく分からないけど、とりあえずITをやっていてエンジニアになることが出来そうな会社でした。
当初目標の達成です。
こうして私の2度目の就活は幕を閉じました。
そして数か月後、私は大学院(修士課程)を退学し、未経験エンジニアとなったのです。
未経験エンジニアの「現在地」
今この記事を書いている時、就職してから1年経過しようとしています。
振り返ってみれば、まさしくあっという間だったと感じます。
で、私の現在地はと言うと...
まぁなんとかエンジニアとしてやっていけています(笑)。
それなりに楽しい毎日を送れているといった感じです。
私は就活で出会うまで聞いたこともないような会社に入社しました。
それだけでなく、配属先はSAPというソフトを扱う部署だと入社後に知りました。
SAP?
なにそれ??
そもそもなんて読むん???
4月1日の私の頭の中は、疑問で埋め尽くされたわけです。
それから長い長い新入社員研修が始まりました。
文字通りなにも知らない私に、先輩方はこれまた文字通り懇切丁寧に指導してくれました。
SAPとは何なのか。
SAPの基本的な操作。
設計書の読み方や書き方。
フローチャートの作り方。
コーディングのやり方。
テストの方法。
そして、社会人としての心構えや振舞い。
いずれも100%マスターしたとは言い切れませんが、先輩方に頼りながらであれば一人で対応できるようになれました。
そう、文系大学院を中退した私が、「いっぱし」のエンジニアになることが出来たのです!
とはいえ、今後いつまでエンジニアとして働き続けることが出来るのか?
それは神のみぞ知るのでした...。
以上、文系大学院(修士課程)を中退して未経験エンジニアになった私の1年間の振り返りでした。
ここまで読んでくれてありがとう!
おしまい