この夏も お健やかにお過しのことと存じます
夜空に華ひらく尺玉の花火は 地ひびきを立てる大音響や色の乱舞もさる
ことながら まるく弾けた光の輪の端が 最後にどう変化してをはるかの一
瞬が見もので 思ふに 当方も一線の仕事をしりぞいて何年か そろそろ変
身したい 自分自身をびつくりさせたいといふ疼きを覚えるのですが 年齢
の悪戯のかすかな明かりが 過去の 笑つちやふほど平板静穏な道を照らし
だして いまさらそんなことをするのは不可能よとささやくにつけ 不可能
の確定が かへつて変身願望の花火を美しく見せるのはいかんともしがたく
2015年 夏
