昼過ぎ、Yahooのニュースを見てゐたら、ちよつとニヤリとするやうな記事です。

 「ちかんに抵抗しない女性に「カラオケ行かう」とメモ 63歳男逮捕」といふ見出しです。いかにもありさうな話ですよね。

 記事のリードはかうです。

 電車内で女性にわいせつ行為を繰り返し、女性が抵抗しないのに付け込んで、携帯電話の番号や「カラオケに行きませう」などと記したメモを渡した男が24日、強制わいせつ容疑で千葉県警柏署に逮捕された。「気に入つた子で、満員電車でムラムラしてやつた。私がやりました」と容疑を認めてゐるといふ。

 続いて、「逮捕されたのはーー」と読み進んで、アレッと目が点です。知人なのです。

 もう三十年ほどになります。異業種の人間が集まつて、年に数回、各界の講師を招いて勉強会を開いてゐます。会の名前は「定刻会」。さう、遅刻すると会費が高くなる会なのです。

 会員には相撲の現役力士、売れない歌手、有名な版画家、証券マン、売れない作家、ミュージシャン、画家、代議士秘書……など雑多な人種が40名ほどゐます。

 創立以来その会の連絡役をつとめてゐるのが、最初は銀行員だつたK・Mです。数年して何かのスキャンダルで銀行を辞めました。柏市に住んでゐます。今年は年賀状が「喪中につきーー」だつたのが印象にあります。

 産経新聞取材のその記事を読むと、名前も住所も間違ひなく彼なのです。容疑者の肩書は「探偵社部長」とあり、勤務先は千葉市内となつてゐます。

 何かの会の幹事役にはまさにふさはしい男で、愛想がよく、応対もにこやか。銀行員といふのはかういふタイプが向くのだらうなあと思つてゐました。銀行を退職した時はオヤッと感じましたが、詳細は分かりませんでした。

 「探偵社の男が痴漢」といふのは、へえ、なるほど、で見過ごされる話でせう。僕にしても、銀行を辞めて、たぶんいくつかの仕事を転々として、63歳にもなり、電車内で見染めた女性に「カラオケでも」と誘ふ心理は分からないでもありません。

 「定刻会」にはしばらく欠席続きだつたのですが、こんど案内状が来たら行つてみたいと思ひます。