人のつながりは何から始まるか分かりませんね。

先月、銀座7丁目の老舗茶舗「銀座平野園」で抹茶を買つた折、帽子をほめられた縁で、平野園の女将が日誌を連載してゐる「銀座15番街」といふ小冊子を頂戴した話を書きましたが、昨日、その「銀座15番街」に何か書いてくれといふメールが来ました。

銀座15番街、といふ地名はありません。
銀座7丁目と8丁目、ご存じ中央通りの資生堂パーラーより新橋寄りの、表や裏通りで名だたる老舗を受け継いでをられるご主人たちが、7丁目と8丁目だから足して15番街でどうやと洒落て、まう40年も前からこの季刊の冊子を発行してゐるのださうです。

ぶらり立ち寄つた客が感想を求められたわけですから、さう気取つて書くものでもないでせう。以下、書き送つた原稿です。


「素敵なお帽子ですね」
 その一言で立ち止まりました。銀座平野園さんで抹茶を買ひ、帰りかけたときです。
買ひ物をして、「ありがたうございました」「またお越しください」以外に、あまり余計な声をかけられた験しがありません。商人ことばでない温かさのやうなものを感じました。

その折、「銀座15番街」の近刊3冊を頂戴しました。
表紙は、それぞれ勝鬨橋、永代橋、清洲橋の叙情的な版画。編集も、銀座の今昔、地域情報、直面する問題など多彩で、特に30年来(毎度少々づつながら)抹茶「和光」を賞味させてもらつてゐる銀座平野園・草野佳里子さんの「銀座の嫁日誌」は、銀座から銀座へ、老舗に嫁いで以来の喜びやご苦労を綴られてゐて、興趣深く拝読しました。

よく言はれることですが、銀座のど真ん中から大衆迎合の風潮と外国資本の波に揺さぶられつつある(らしい)いま、7,8丁目とその周辺の存在意義は、「銀座の文化」を守り育てる意味で、いよいよ高まつてゐると思ひます。
御誌「銀座15番街」が、「街を愛し、愉しみ、誇りを持つ」皆さんの精神的バックボーンとして末長く機能することを願つてゐます。

江戸の粋
繋ぎ伝へる
15番街