ゆうべは結局、お酉様へ行くつもりがタクシーに乗ると「浅草橋へ」つて言つてしまひました。
 
 JR浅草橋駅の西口。まだ開店して半月の結構なふぐ料理屋さんがあるんです。ふぐと聞くとコースで一万円なんて想像するかもしれませんが、このふぐや、さしが1700円、鍋が2000円、コースで3700円といふ格安さ。

 人形町のさる有名小料理屋で修行した男がやつと開いたお店。腕は確かなので旨いものを食はせるのですが、なにせ浅草橋といふ土地柄、ふぐはいささか似合はない。
 隣りに威勢のいい「やきとん」の立ち食ひ店があり、そちらはいつも満員。隣のふぐやに入るのが恥づかしい感じ。こちらは開店以来常にさびしい。この2軒は、大晦日のNHK紅白が終わると同時に除夜の鐘の静寂に切り替はる瞬間みたいだつたのです。
 
 ところが、昨日は違つた。ふぐやにもお客が12人もゐて、「やきとん」に負けてない。
 主人に聞くと、先週の金曜日から急に客が入り始めたさうで、「なんでかなあ」と首をかしげる。先週の金曜日といへば4連休の合間。ヘンな日から流行り出したものです。
 みたところ、ご近所の顔ぶれが大半です。きつと繁盛しますぜ、このふぐや。