仕事とは
——リーダーとしての引き際と押し際——
リーダーの仕事には、「引く」と「押す」の両方がある。
部下に任せて見守るときもあれば、自ら前に出て引っ張るときもある。
このバランスは、数字やマニュアルでは測れない。
だからこそ難しく、だからこそリーダーとしての真価が問われると感じる。
僕が若い頃は、とにかく「押す」ことしか知らなかった。
問題があれば先頭に立ち、議論が停滞すれば強引に方向を決め、困っている部下がいればすぐに手を貸した。
それは一見頼もしい姿に映ったかもしれないが、
同時に「部下が自分で考える機会」を奪っていたと今では思う。
経験を積むうちに気づいたのは、「引く」ことも責任の一部だということだ。
任せることで、部下は試行錯誤を繰り返し、自分の判断に自信を持つようになる。
失敗しても、その経験は必ず次に生きる。
リーダーは、結果が出るまでの時間を耐えて待つ覚悟が必要だ。
一方で、「押し際」を間違えるとチームは迷走する。
方向性が定まらないとき、外部からの圧力が強いとき、メンバーの士気が下がっているとき——
そんな時は、リーダーが腹をくくって前に出なければならない。
判断を先延ばしにすれば、組織の迷いは雪だるま式に大きくなる。
チームの先頭に立つうえで私が意識しているのは、
「相手の成長」と「チームの前進」、どちらを優先すべき瞬間かを見極めることだ。
長期的な成長を狙うなら引く。
短期的な成果や危機回避が必要なら押す。
その判断軸が自分の中で明確であれば、迷いは減る。
リーダーの仕事とは、「いつ引き、いつ押すか」を決め続けることだと思う。
それは一度覚えたら終わりではなく、チームの状態や人の成長度合いによって変化し続ける。
だからこそ、常に現場を観察し、耳を傾け、心を配る必要がある。
同時に、
経験を積めば積むほど「意欲」は薄れて、
現状維持や安牌な【安全でリスクのない選択】をしがちになるのが人間であり、
「自己成長意欲」や「さらなる発展・飛躍」といった向上心を見失わないためのシンプルな考え方だと感じている。
引き際は、部下を信じる勇気。
押し際は、自分が盾になる覚悟。
その両方を持ってこそ、リーダーはチームの信頼を得られるのだと、僕は信じている。
今日もやったろ!!