とうとう、と言うか、やっと、緊急事態宣言が発令です。

 

医療崩壊の瀬戸際。人工呼吸器、感染防御装備、そして人材が足りなくなって助かるはずの患者を助けられない事態、命の選択が必要になる事態がそこまで来ています。

 

大袈裟じゃない。東京の感染症指定医療機関で働く友人は現場の状況を「マジでやばい」と言ってます。横浜の市民病院や慶應の研修医は飲み会やって集団感染。そんな中、熱発患者を収容した救急車が受け入れ病院を探し50件目の電話を断られる。断る病院側は心が痛むがベッドも人もない。東京では、本気出して真正面から取り組んでいる人ほど、医療従事者も救急隊も「限界だ」と言います。

 

医療崩壊を語る報道番組を見ていると、DMATの研修で必ず出てくるスライドが頭に浮かびます↓

 

平時の救急医療と災害医療は何が違うのか?

 

検査も薬も医療機器も、標準的な医療を提供できる手段は揃っている、医療スタッフの人数も考えなくていい、という前提で「どうすれば良いか」を考えるのが平時の救急医療。人、物、医療資源がない、足りない状況で「どうすれば良いか」を考えるのが災害医療。そう教わりました。治療しないと死んでしまう患者が10人いて治療薬は5人分しかありません。さあどうしますか?それが「災害医療」の根っこです。

 

日本人全員がここで踏ん張らないと未曾有のpreventable death「避けられるはずの死」が発生し、新型コロナ対策は本当の「災害医療」の段階に入ります。震災の災害医療よりずっと難しい。震災は震源、被災地域があり、その外側には無傷の地域があるので、DMATでもなんでも、エリア外からの支援ができます。今回の新型コロナは日本全部が被災地、世界全体が被災地です。エリア外からの支援は期待できない。

 

一人一人が、自分で自分を守る、家族を守る、地域を守ることから始めるしかない。私も、できないことはやらないけど、できることはやるつもりです。簡単なようで難しい、難しいようでシンプル。日本人全員が自分と自分の足元を守る行動をすれば日本は守れる。

 

海外の報道は、昨日の日本の緊急事態宣言を「厳格さがない」「自主性に任せて収束できるわけがない」「今頃発令してももう遅い」と批判的に伝えているようですが…

 

できるよね?

ラグビーで「ワンチーム!」と盛り上がったのが幻じゃないなら。