9月8日(日)に当院で開催された「日本海カンファレンス」

 

公募で集まる医学部の学生を対象とした勉強会、症例検討会イベントです。昨年の「闘魂外来」同様に総合診療の指導医たちが当院に集まりました。「闘魂外来」は当日の救急外来で実際に診察した症例を題材にしますが、今回は講師陣があらかじめ準備したテーマや症例で、医学生、研修医、指導医たちがディスカッション、勉強です。

 

集まった学生は新潟大学、東北大学、金沢大学、信州大学、富山大学、宮崎大学の医学部3〜6年生10人。そして糸魚川、長岡の研修医も参加。それに院内外からの豪華?指導医陣。うちの若手医師も仕事の合間に覗きに来ました。

 

昨年の闘魂外来で前振りなしの飛び入り講師として乱入、場外乱闘?して好評価(ほんとか?w)をいただいた私も、今回は講師の一人としてエントリーさせてもらいました。

 

1年前の闘魂外来が楽しかったので、今回は私も朝からフル参加。

まず…

 

その1

山里一志先生:南砺市民病院 総合診療科

(ツッコミ役:松本謙太郎先生)

期待を裏切らない安定の総合診療、臨床推論です。学生に考えさせて答え(診断)に導いていく、そのプロセスを大事にする。総合診療って指導医クラスもちゃんと勉強すべきと実感。どのケースも最後はグラム染色の重要性に力技で帰結させるw芯の通ったカンファレンスでした。

二人のまんざ医師?山里先生(左)と松本先生(右)。掛け合い絶妙のコンビ。

 

その2

新潟大学6年 T宮くん

名だたる講師陣に混じって医学部6年生が壇上です。これは凄かった。自分で探してネタを溜めこんでスライド作った1時間のQ&A、マシンガンのように症例提示→検討→回答→考察。コモンケース、レアケース、引っ掛け、落とし穴。T宮くん、あんたもう国家試験いらん。そのまま研修医通り越して指導医でいいんじゃね?内科的医学知識なら私は完敗です、ダブルスコアで(笑)

 

昼食を挟んで…

 

その3

吉田暁先生:新潟市民病院救急科

総合診療医に混じって救急医の登場です。ドクターヘリやDMAT、救急のフィールドで私も深く交流のある熱い医師。ショック3症例をそれぞれ3グループに分けた学生たちに提示して疾患、病態を考えてもらい、そのあと解説とレクチャー。勉強になりました、先生!

 

この流れ、実は密かに助かりました。次が私の出番で、私も救急系をテーマにしてたので。

 

その4

津吉秀樹(私)チョキグラサン:柏崎総合医療センター

睡眠削って作り込んだスライドを引っさげて参戦。内科系総合診療中心のイベントに私が持ち込んだのは…ドクターヘリや広域救急医療、病院間連携まで絡んだ症例。外傷救急の激し目のケースをぶっ込んで殴り込みです。私、こういうカンファレンスは不慣れなので戸惑いと不安もありましたが、学生の皆さんは興味深そうに聴いてくれました。打ったら響いた。上々w

きめ細かい推理から診断にアクセスするのがキモの総合診療に比べたら、外傷救急は診断までは単純なことも多い。でも落ち着いて診断をつける時間の猶予がなかったり「目の前にいるこの患者を救うには何をすべきか?」「グズグズしてると死んじゃう。今何をすれば助かるか?」そういう立ち回り、臨機応変さが明暗を分けることもある現場です。分単位で病状が変化する中で対応を考える。そのリアリティを伝えたかった。伝わったと思います。ハイテンションで喋りまくった(笑)。内容の詳細は内緒。長くなるのでww

 

その5

高瀬啓至先生:獨協医大総合診療科

身体症状症、以前は身体表現性障害と呼ばれていた病態をテーマにしたカンファレンスです。心のストレスが実際に身体症状として現れてしまう、それが診断や治療を迷路に誘い複雑にする。そういうのは私自身も臨床現場で頻繁に遭遇するんですが、正直きちんとロジカルに考えたことがなかった。それをわかりやすく体系的に学べて、超勉強になりました。

それぞれのグループの学生が考察を発表↓

 

今回も自分自身、勉強になりました。そして教える楽しさ、教えることを教わる楽しさを味わいました。最後は集合写真で〆

 

私、看護学校の講師はもう13年もやってます。楽しい。「看護師を目指す進路を選んで1年目」という学生たちにどうアプローチすれば響くか、効果的に伝わるか、興味を持ってもらえるか。掘り下げていくと深い。でも「講義」なので一方通行になりがちかもしれない。

 

このイベントは、少し(いや大分)様子が違う。日曜を使って近くから遠くから、わざわざ勉強しにくる意識高い系のヤツラとガチンコで、一方通行の講義じゃなくてボールを投げ合う、爆弾投げ合うカンファレンス。敵(学生たちw)の動きを見つつ予測しつつ先読みしつつの真剣勝負、緊張感とワクワク感に身震いする、と言っては言い過ぎか?(笑)

 

終了後、松本謙太郎先生は「また一緒にやりましょう!」「誘いますよ!」と言ってくれました。今後、この流れに乗って関わっていくことになりそうです。

 

病みつきになりそうキラキラ