見学医学生が来る金曜の朝、Hs川先生のピッチに電話しました。

 

研修医による学生へのプレゼン

 

つ「医学生の見学の件なんですけど、もしO関(2年目研修医)の予定が空いてたら、彼が学生に一昨日の研修報告をプレゼンするってのはどうでしょう?」

Hs「あ、それ、いいですね。O関には午前中外来をお願いしてるけど、昼にでも、やってもらいましょう。で、つよぽん先生、午後はよろしくね!」

 

見学の学生はK大学医学部医学科、今度6年生になる○藤さん。

 

昼、応接室を使ってO関が2年間の研修報告のスライドを見せて学生に説明していました。2年間で学んだこと、楽しかったこと、頑張ったこと、反省すべきと思ったこと、自分が感じた当院での研修の良かったところ、改善したほうが良いと思うところ。これから研修病院を選ぼうとしている学生にはリアリティがあって参考になったと思います。

 

手術室見学

 

1330、つよぽん企画の病院見学ツアー開始w。整形の橈骨遠位端骨折の骨接合と、外科の腹腔鏡視下胆嚢摘出(ラパタン)はもう始まってます。このあとすぐ産婦人科の帝王切開が始まるし、泌尿器科のESWL(体外衝撃波結石破砕術)も入ってくる。ちょうどいいな、全部見せよう!

 

まず放射線のプロテクターを着てもらって整形部屋へ。橈骨にプレートを当てている最中です。このプレートだよ、とうちで使っているプレートの抜釘した実物(実は私がそのプレートの開発ドクターだったりするw)を見せて構造を説明。次は外科のラパタン部屋へ。腹腔鏡手術は術野を覗き込まなくてもモニター画面でわかるので見学に最適だったかも。外科の先生に肝臓、胆嚢、剥離している血管や胆管の説明をしてもらいました。

 

と進んだところで帝王切開の準備が整い麻酔も終わって…産婦人科の先生に、見学させてもいいか聞きました。「患者さんがOKならいいですよ〜。患者さんに許可もらうのでちょっと待ってね。」腰椎麻酔なので意識あります。そして患者さんもOKとのこと。帝王切開は始まると終わるまでの流れが早いので、最後まで見せてもらうことにしました。2人目の出産。「上が男なので女の子が欲しいんですよね〜。」なんて患者さんとも話をしたりして。主治医からは女の子と聞いていたけど半信半疑だったらしい。そして手術開始!

 

 

うちの産科の先生は手術、丁寧だけど速いです。速い手術は出血も少ない、侵襲も少ない。横切開、子宮に到達、子宮切開、胎児娩出「生まれた〜ドキドキ」皮膚切開からここまで、ものの5分です。執刀の先生がお母さんに声をかけます。「〇〇さん、女の子ですよ!!」若いお母さんは嬉しそうにしながらも、ちょっとウルウルしてました。新生児は横で待機していた助産師さんに渡されます。○藤さん、赤ちゃん見せてもらいなよ。手袋をして赤ちゃんの頭を触らせてもらったりしてました。

 

左から助産師さん、赤ちゃん、見学医学生の○藤さん(整形の手術も見るので黄色い放射線プロテクター着用)

 

術野では胎盤を取り出す作業に。そして子宮、腹壁、皮下、皮膚、と手際よく丁寧に縫合され30分ちょっとで手術終了。

 

手前左の2人は産婦人科の執刀と助手の先生、右は直接介助の看護師

後ろ左からつよぽん、○藤さん、外回り看護師

麻酔器の後ろに頭見えてるのが…麻酔科の先生

 

帝王切開…実は私自身がこんなにちゃんと「見学」したのは初めてで、案内役の私が勉強になり、生まれる瞬間に、生まれた赤ちゃんとお母さんの対面の瞬間に、感動してしまいましたおねがい

 

さて、そろそろ泌尿器科の患者さんが入室したようです。産婦人科の先生、そしてお母さんにお礼を言って手術室を移動。ESWLの部屋へ。泌尿器科のH入先生にESWLの手術、結石破砕装置の説明をしてもらい「破砕機の音でかいよ」と言われ密閉型ヘッドホンを付けて「石砕き」スタート。

 

最初に見た整形と外科の手術室に戻ります。整形はプレートにスクリューが全て入り閉創の段階。執刀医に頼んで出来上がりのレントゲン前後像、側面像を術中透視装置で見せてもらい、解説。外科の手術室に行くと、胆嚢の剥離が進んでいました。

 

ほんの1時間ちょっとで、4つの各科手術を見渡すことができました。学生が見学に来るのを見越して手配したかのような予定手術リストで(笑)。でも手術見学のタイミング、絶妙に良かったと思う。

 

○藤さん、ラッキーだったよ、良かったね。と言うか私もラッキー。予定手術チェックするまでは整形の手術を中心に見せようと思ってて…。知ったかぶりな顔して案内してたけど、帝王切開が見学の柱になって、実は私自身が勉強になりました(笑)

 

… 

 

うーん、まだこの後、スライド解説とか救急車案内とか、いろいろあって終わらないんだよなぁ。よし、これは中編にして、後編も書くことにします。喋ればくどい、書き始めると止まらない、つよぽんなのであった。

 

つづくw

 

注:ブログ記事掲載とその内容について、この日の妊産婦さんから許可をいただきました。