本日の日経平均株価は朝一から爆上がりでスタートし、4万8000円を突破しました。これは高市さんへの投資家の期待が高い表れだと言う事です。高市さんは国の財政出動によって企業に金を付けて業績アップと賃上げを果たす狙いを打ち出しているからです。これはアベノミクスの時の安倍さんよりももっと踏み込んだやり方です。国が企業を選んでカネをつけると言うのですから、国が直接経営に関与すると言うことです。
例えば半導体開発のために死にかけているT社に国が金を出して応援するみたいなことなのでしょうか?そうなればこれはもはや国営企業です。でも今の日本では民間企業が本気で賃上げに応じないのだから、こうでもしないとダメなのだと高市さんは考えているのかもしれません。
投資家はそれによって企業の業績が上向くことを期待しているということでしょうが、それはつまり間接的には国が出す金を狙っているということです。
ここで大事なことは、国が赤字国債を発行して集めた国民からの資金を国が投資するというのであれば、その対象企業はどこなのか?どうやって選定するのか? これは国会で議論するようなことになるのか? 下手をすれば国と企業との結びつきが強くなり、また裏金が流れるようなことになるのではないか?
一方で円ドル為替レートは円安に動いていて、150円/ドルを超えました。これは高市さんが日銀の利上げに難色を示しているらしく、そうなると円買いは減ります。銀行も融資の金利が上がらなくなるので収益がそれほど見込めなくなります。高市さんは赤字国債を積極的に発行するか、増税で国の予算を増やすことになりますから、そういう流れになるのでしょう。これ以上の円安は物価高を加速します。

私は高市さんの考え方は理解できますが、実行は極めて難しいと思います。一歩間違うと極端な財政赤字から円の信用力を失い超円安によってハイパーインフレを引き起こす危険性があります。
その成否のカギを握るのは日本の企業の実力です。30年以上もの間、研究開発費を削減し、人員整理をしてきて技術力は低下しており、世界から大きく技術力が遅れている現状で、果たしてお金を付けただけで業績は大きく伸びるのでしょうか? 更に加えてそこには人手不足という厳しい現実もあります。
私は安倍さんが企業を甘やかしすぎたことが今の窮状を招いたと思います。安倍さんの継承者として高市さんはそれをリリーフして回復していただくことを期待しますが、そのためには高市さんの周りに強力な助っ人人材を集めるべきです。まずはそこから始めないと始まらない。