銀行の役割は終わったのかもしれない | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

SBIグループが地銀への投資を再開すると言うニュースが出てました。東北銀行に3%出資するというもの。経営の弱い地銀を買収してグループの傘下にいれるというやり方です。多分こういうケースはこれからも増えるのではないでしょうか。

 

日本は戦後の経済復興の資金源を銀行の融資によって賄ってきました。これは戦争に負けて無一文の状態になってしまった日本では、戦前の財閥も解体されてしまい、日本の民間資本がなかったからです。そのため国の政策として、国民は働いて貯めたお金を銀行に預金するように奨励し、その小口の預金を銀行員が集金に回って銀行の資金に積み上げたのです。そうして集めた個人預金から企業の設備投資などの資金を銀行が融資したのです。

 

このことから日本では銀行預金が個人の資産運用の中心になっていきました。実際に預金金利も3%~6%ぐらいの水準でしたし、「マル優制度」で元金300円までの非課税枠なんていう制度もありましたから、みんな一生懸命預金してお金を貯めました。確か300万円をマル優を使って5年間運用すると450万円にまで増えた時代もありました。これだけ増えれば株式投資や投資信託、外貨預金などやる必要なんてありませんでした。銀行は黙っていても預金が増えていきました。

 

しかしこれが平成のバブル経済を経て失われた30年に突入すると一変します。まず金利がゼロになりました。これでは預金してもほとんど利息は付きません。しかし一方で企業はリストラで設備投資をしなくなりましたから、銀行からお金を借りる必要もなくなりました。かくして銀行の果たす役割はどんどん失われて行き、今では構造不況業種と言われてしまうまでになりました。私自身もそこに至る過程を銀行員として体験しました。

 

企業が日本国内で設備投資をしなくなったため、地方銀行(地銀)は仕事が無くなってきています。仕方ないので、投資信託や生命保険商品を売ってその手数料収入を当てにするようになったのです。

 

その上最近は取引先の企業(主に中小企業)が経営者の高齢化とその後継者不足から廃業するケースが増えています。もう踏んだり蹴ったりという状況です。その結果、地銀同士が合併、経営統合という形で数を減らしています。

 

一方、預金とか支払い(決済)の機能は現金からデジタルマネーに移っています。PayPayとかSuicaなどのデジタルマネーはお釣りがいらない上にネットの買い物に便利です。銀行は既にATMを廃止する準備に着手しています。私も最近はほとんどATMを利用しません。

そうなると銀行の支店は要らないのです。

 

さらにこれからは「仮想通貨(暗号資産)」が通貨にとって代わる可能性があります。為替とか必要ではないなど、メリットは大きい。

仮想通貨は日銀の管理通貨ではありませんし、国籍がありません。しかし資産になるし決済にも使える。

 

銀行は歴史の上で大きな転換期に入ったように思います。