今朝の日経新聞に「新卒採用あえて減らす覚悟・・・」という記事(論説)が出ていました。最近、大企業で新卒の一括採用をやめる傾向があるという。日本では毎年4月1日に新卒者を迎えるのが慣習となっているのですが、それを止めて通年の適宜採用、これには中途採用を含むらしいのですが、要するに必要な時にだけ、必要な人数の、必要な人材を採用するという意味のようです。
合理的といえばそうなのですが、ずいぶんと企業の勝手のように思えます。こうすることで企業が避けられるリスクは、入社後の短期間での退職とか、人材育成の負担とかがあるようにみえます。学生の側からすれば、3月に卒業しても企業の採用がなければしばらくは働くことができません。まるで就職氷河期のような事態になりかねません。
無責任時代の到来! と言わせていただきます。
ただでさえ少子化が深刻化して、今後ますます人手不足になると言われているのに、若い世代を雇用しないで誰を雇うのか? この記事には組織のスリム化でなんとかやるというようなことを書いていますが、それをやるとかつてのような地獄の時間外労働につながるのではないか。
日本は日本の未来を背負う人材を苦労してでも育てなくてはいけない。それを止めたら日本の社会は崩壊する。確かに最近は新卒採用の社員が瞬く間に退職していくという事態が顕著です。そのため企業は入社から半年間ぐらいは仮採用にしていて、その間に退職されてもまだ配属前なのでダメージを避けられるようにしています。これはもう本当にくだらない駆け引きのようなもの。
今の若い世代には、昔の徒弟制度みたいな見習い修行というものは納得できないようです。下積みの苦労を重ねて経験を磨いていくというのはダメなんでしょうね。だからいきなり重たい責任を背負わせてやらせてみる方が若者には受けがいい。しかしそれはリスクが大きいから、失敗したら即クビになる。でも若者たちはそこは何とか切り抜けていくのではないか。任せてみたらどうか。
