証券口座乗っ取り事件のこと | 今、私が考えていること

今、私が考えていること

毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

最近大きな問題になっているのが証券口座の乗っ取り事件です。既に莫大な金額の被害が出ているそうです。他人の口座を乗っ取って、その人の投資している株を勝手に売却し、その金で中国の会社の安い株を大量に買い付けて相場の値上がりを図り、株価が上がったところで売却して逃げるという手口。

 

ところがこの犯罪をどう防止すればいいのかという事について、結局はパスワードなどのセキュリティ対策では歯が立たないことが判明したそうです。これは恐ろしいことです。

 

私は長い間金融機関で働いてきましたが、私が働いていた時代は今の様なネット取引はありませんでした。せいぜい銀行のオンライン取引ですが、これは銀行の中だけで完結していてインターネットとはつながっていません。証券口座はインターネットとつながったシステムなので、他人が自由にアクセスできる世界です。

 

証券会社は既にほとんどがネット取引に移行してしまいましたからこういう事件が起きるようになったわけです。しかし昔の株取引は証券会社のお店にある株価表示ボードを見ながら、カウンターで証券会社の社員と向き合って売買の注文を出すと言うのが普通でした。だから乗っ取りと言うような犯罪はあり得ません。

 

実は金融取引は本来相対ですることが基本です。保険の取引は今でも生保の営業職員が面談して契約します。ネットでできる保険は少額の保険に限られています。

 

この事件の影響で金額の大きな株式投資はネット取引が困難になりました。証券業界と金融庁は早急に対策を講じないといけません。いっそ店頭の相対取引を復活させたらどうでしょう。