朝ドラ「あんぱん」に最近よく登場する、のぶの担任教師(黒川先生}の発言が怖い。ドラマのシーンは戦前の女子師範学校ですから、軍国主義時代の日本ではこういう教師はザラに居たのかもしれません。口を開ければ「お国のために・・・」と諭しています。さすがに戦後はそんな指導はなくなりました。しかし「男女交際はふしだらだ」と決めつける風潮は、戦後もずっと続いているように思います。例えば受験勉強している学生やスポーツ選手などは目標を達成するまで恋愛を厳しく禁じられたりしています。旧ジャニーズ事務所の芸人やAKB48などの女性歌手の集団の世界では「恋愛禁止」を掲げていました。一見、「そうだろね」と思ってしまう人も多いのですが、これはおかしいと思います。
アメリカの映画などを見ていると、そんな様子は全くありません。学校でも、会社でも、軍隊でも恋愛を禁じる規則などはないようです。ではなぜ日本では恋愛はご法度だというのでしょうか。不思議です。恋愛しなければ男女は結ばれません。好きな人を自由に選んでお付き合いするのは自然な行為です。なぜそれを規則として禁止するのでしょうか。私には理解できません。
昔の日本は「家」を大事にする社会だったことで、世継ぎは個人の自由ではなく家の重大なイベントと位置付けられていた。個人で勝手にどこかの相手と結婚することは許されなかったのかもしれません。親が決めた相手と結婚するように強要されることもよくありました。
しかし戦後の日本では、若者は都会に出ていき、そこで相手を見つけて結婚し、自分の家庭を築く傾向がすすみ、「核家族化」の社会になっています。だから「家の世継ぎ」という考え方は無くなりました。それが良いのか悪いのかということは別にして、人が自由に恋愛するのは当然の権利です。
武家社会からの古い因習の様なものは改めないといけない。若い人たちにはもっと積極的に自由に恋愛をしてもらいたい。同時にそういう昔の古い時代の良くない姿を必要以上に強調してテレビドラマなどで若い人たちに見せるのもどうかと思います。
