本日の「あんぱん」では、のぶがパン食い競争で並みいる男性走者を追い抜いて一位でゴールします。当然優勝です。ところが物言いが付く。「のぶは失格だ!」という審判だ。理由は、もともと「女子は参加資格がないからだ」という。確かに最初からそういうルールで開催されていたのは事実。しかし、私は悩みました。なぜ女子はパン食い競争に出てはいけないのか? その理由が理解できないからだ。多分当時の時代背景から推察すると、パンに口からかぶりつくようなはしたないことを女はしてはならない、という理由ではないかと思われる。しかしその理屈なら、男だって同じではないか。したがって理解できないのです。結局、男が女に負けては困るからというのが本音のようだ。なんという恥ずかしい話だ。
だいたい男尊女卑という昔の風習は男が優位に立つための都合のいい理由のような気がする。体力的には女は男より弱いことは事実なので、大きな力が要るような仕事では男が優位に立つことは仕方ないとは思うが、女はパン食い競争に出てはいかん! とか、女は上位の学校に進学するな! とか、女は学校の先生になるより嫁に行け! などというのは全く理不尽な話だ。朝ドラはいつもこの差別の課題を背負って生きるヒロインを描くので、今回の「あんぱん」でもこういうシーンが出てくるわけだ。
ところで話はちょっと変わりますが、今国会では選択的夫婦別姓の議論がなされています。これは昔の親子三代が同居していた大家族の時代から、戦後の高度成長期の核家族化の時代に変わったことで、考え方は大きく変わったのだと思う。「家を継ぐ」という必要性がなくなったのだ。それぞれの世代が独立して存在する家族の社会なのだと思う。だから姓は何を選ぶかはそれぞれの夫婦が自分で決めればいい。
私が以前に相続セミナーなどで個別の相談を受けていた時、多くの高齢者のお客様は「子供と同居したくない」とおっしゃりました。なぜかと聞くと「自由を奪われるからだ」という。こういう社会なのです。それが良いとか悪いとかということではなく、現代の家族の在り方がそうなっているということを認めなくてはいけない。
