私の趣味遍歴(写真とカメラ) その4 思い出のカメラたち | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

前回までの話に引き続きまして、今回は思い出に残ったカメラを振り返ろうと思います。

【ニコン編】

ニコンと言えばフラッグシップのFシリーズです。日本の一眼レフカメラの高い性能を世界に広めたF1はあまりに有名です。私はF1、F2、F3、F4、F5まで使いましたが、結論から言うとニコンのこのシリーズはプロ用カメラです。精度が極めて高く、その上に堅牢で耐久性があってプロの厳しい使用にも十分耐えられるのが特徴です。ただしその分大きくて重い。この中で今でも中古でもう一度買いたいと思うのはF3HP(ハイアイポイント)でしょう。トリガーレバーを巻き上げる感触が絶妙です。今のカメラにはフィルムは入れないのでトリガーレバーと言っても何のことだかわからないと思いますが、フィルムカメラには必ず備わっていました。

 

Fシリーズ以外で私が名機だと思うのはFE(2)とNewFM2です。

これは本当にいいカメラだと思います。わたしはこのカメラの流れをくむニコンZ fcを持っていますが、FE2を彷彿とさせるスタイルだから唯一気に入っています。

 

【キャノン編】

ニコンが報道系のカメラマンに御用達という傾向があるのに対してキャノンはネイチャー系やスポーツ系の写真家に人気があります。大ヒットしたAE-1以降はいろんな機種が出ましたが、なんといっても一番は「ニューF-1」です。1984年のロサンゼルスオリンピックの公式カメラに認定された記念すべきカメラです。私はこれのAEファインダー付のカメラを愛用しました。このカメラの特徴はとにかくシャッターの切れの良さ。タイムラグがほとんどないのでシャッターチャンスを逃さない。とにかくカッコイイカメラでした。キャノンの場合はこれ以降にオートフォーカス(AF)のEOSシリーズになってから一段と飛躍していきました。EOS-1はプロ用ですが、秒間5コマの連写機能や動体予測AFを搭載していたEOS 630とかEOS RTもなかなか秀逸でした。EOS RTはペリクルミラーを採用していたのでシャッターを押したときに一瞬画像が消える欠点を無くした機種として画期的でした。一眼レフカメラはシャッターを切るとペンタミラーがぱたんと閉じてその瞬間だけファインダーが見えなくなるという仕組みです。これはいまのデジタル一眼レフでも同じです。ただし、ミラーレスカメラはペンタプリズムとミラーは無いので関係ありません。

 

またキャノンはEOSシリーズからレンズのマウント仕様をFD系からEF系に変更し、より口径を大きくしました。そのため交換レンズの機能が大幅に向上しました。ニコンや他社がAFのレンズのヘリコイドの駆動をカメラ本体に内蔵されているモーターでくるくるとシャフトを回して動かす方式なのに対して、キャノンはレンズの筐体の中に超音波モーターを組み込んでヘリコイドそのものが動く方式にしたことです。これは動作が素早いのでAFのレスポンスが格段に速い。だから動く被写体に、例えばスポーツ写真などには威力を発揮します。私はEOS1N、EOS1N-RS、EOS5などを愛用しました。またキャノンの高級レンズはボディが白くて赤い線が入っていてカッコいいです。いまでもサッカーや野球の試合の撮影にカメラマンが使用している白いレンズは目立ちます。私はあれに憧れてしまいました。でも高価なんです。

 

【オリンパス編】

これは花の写真を撮りたくてマクロレンズと一緒に使用していました。マクロレンズというのは被写体に近づいて撮影できるレンズです。通常のレンズだとせいぜい50センチぐらいしか寄れないのですが、マクロレンズだと10センチとか5センチぐらいまで寄っても焦点が合います。だから花の写真でめしべやおしべなどを大きく撮影したいときなどはマクロレンズじゃないと撮影できません。オリンパスは医療機器の光学系に定評があるのでこの分野には強いのです。またもう一つの特徴は、描写が細かくてシャープなこと。やや色合いが寒色系ですがそれがまた一つの味わいにもなるのです。

カメラはOMシリーズです。OM-1(N)、OM-2(N)、OM-2SP、OM-3、OM-4(Ti)。この内OM-3以外は全て使いました。OM-1とOM-3は機械式シャッターで電池が無くてもシャッターが切れます。この中で私が一番愛用したのはOM-4Tiです。このカメラにはマルチスポット露出制御機構というのがあります。内蔵されている露出計の計測エリアをピンポイントのスポット計測にして、ファインダーをのぞきながら被写体の一部分にその計測マークを合わせてボタンを押すとその部分の露出値を計測します。

それを他の部分にも行い、自分が一番表現したい部分だけ複数回ボタンを押すと、その部分を主としたバランスで露出値が計算されると言う機能です。この機能はキャノンのT90というカメラにも搭載されていましたが、今から思えば、後に主流となるマルチポイント露出の過渡的な機能だったようです。

オリンパスのカメラの特徴はカメラ本体も交換レンズも他社のものと比べて小ぶりなことです。これは何台もカメラバッグに詰めて撮影に行く際にとてもありがたいことです。私は群馬県の尾瀬沼に撮影に行った際、OM-4TiとOM-2SPの2台を持っていきました。

ところで、オリンパスXAというカメラをご存じですか? 一眼レフではなくコンパクトカメラです。

このカメラはよく見ると小さいカプセルになっていて蓋を開くとレンズが現れます。レンズは35ミリの単焦点レンズ。向かって左側には距離を設定するレバーが付いています。つまりマニュアルフォーカスです。そしてファインダーの中には、なんと露出計の針が表示されていて、その露出値を目安に撮影すると言うマニアックなカメラなのです。

これは大好きでした。こんなマニアックなカメラは後にも先にもこれが唯一の存在です。超レアものです。このあとにシリーズ化されてXA1、XA2、XA3、XA4と続くのですが、これらには距離設定レバーも露出計の針もありませんのでご注意ください。ただし、XA4はレンズが28ミリのマクロタイプで映りは一番いいとの評判です。

 

長くなりましたので、この続きは次回にします。

(つづく)