おとといアメリカのFRBが今回の利下げを見送ったとたん、アメリカ経済の失速が始まるのではないか?という悲観的な見方が強まってNYダウが大きく下落。その影響を受けて昨日の東京株式市場の日経平均株価は2200円以上もの大暴落となった。更に昨日(日本時間の深夜)アメリカの雇用統計が発表されて、失業者が前年同月比で2割も増えたことに、一層の不安要因が高まりNYダウは一時900ドル近い下落となった。という流れでした。
これを見てもわかるように、日本経済の要因はほとんど関係ありません。おとといの日銀の利上げ決定は関係ないのです。もちろん日本の産業界に致命的な事案は無く、強いて言えば円高が進み輸出関連企業の業績に懸念があるという程度。しかしこの円ドルレートは今年の春ごろの水準ですから驚くほどの水準でもない。
完全に外人投資家の心理に振り回されています。これはいかに日本経済が微弱な存在なのかということを思い知らされます。本来ならば日本株に投資する場合は、当たり前ですが、日本の経済や個々の企業の業績を中心に調べるのですが、今はそれよりもまずアメリカの金融市場を取り巻く環境の変化をチェックしないといけません。
その場合、アメリカ特有の事情というものも理解していないと判断ができません。こういうことはプロの投資家なら可能ですが、素人ではなかなか難しいのではないでしょうか。
たとえば今回は、アメリカの移民が増えていて、かれらは職を求めてアメリカに来ているので当然失業者です。そういう移民が増えているために失業者が一時的に増えているのだと説明している専門家もいて、彼らは必ずしもアメリカ経済の失速ではないと言っています。
またアメリカの産業界はFRBによる金利引き下げを熱望しているので、やや針小棒大に騒いで利下げを要求しているとも受け取れます。いずれにしてももう少し様子を見てみたいと思います。
