テレビを見ていたら。あるラーメン店の店長がカメラの前でこう話していた。「肉などの材料費の値上がりが酷くて儲けがほとんどないのだが、値上げしたらお客さんが来なくなるのかと思うと値上げもできない」こういう事情はラーメン店だけではない。例えば美容院なども深刻だという。だから日本中でお店の閉鎖が増えている。つまり物価高が深刻な影を落としている。
日本の物価高というのはアメリカの物価高とは異なり、景気が良いから価格が上がっているわけではない。主に円安による輸入品の価格高騰が原因で物価高になっている。こういう状態をスタグフレーションという。アメリカのインフレーションとどこが違うのかというと、アメリカは好景気下での物価上昇、つまり景気が過熱しているのである。だからFRBはその抑制のために利上げをしている。それに対して日本は景気が悪い中で物価が上昇するという最悪の状況にある。景気停滞のスタグネーションと物価上昇のインフレーションの合成語がスタグフレーションです。
賃金は上がったというけれど、依然として個人の実質賃金はマイナスです。昨日の朝日新聞の記事に「企業は儲けの大半を内部留保に入れ、賃上げに配分したの分は微々たる割合だった」と報じている。私もそう思います。春闘で5%程度の賃上げを勝ち取って、連合は勝利宣言してましたが、もともと最初から経営者側と5%で折り合いをつけていて、闘ってなんかいないじゃないか。今年の春闘は最初から経営者側にはめられたのです。この程度の賃上げで済めば経営者は助かると踏んだからです。私は賃上げは30%以上。それを3期連続して獲得して、賃金の水準を今の2倍以上に上げなくては、失われた30年間の賃上げロスを取り戻せないと思うのです。おそらくこれぐらいの賃上げは大企業は屁でもないはず。自民党に献金と称して裏金を渡していたのは企業です。企業も社会的役割を自覚して態度を改めてほしい。
それにしてもマスコミは何をしているのでしょうか?
こういう世論を作るのがマスコミの役割ではないのか!!
テレビ局や新聞社は今やスポンサーに頭が上がらないので、何にも言えなくなってしまったのか?
ジャニーズ問題の対応でもそうでしたが、マスコミの堕落は今や深刻な社会悪です。
