今、日本人がやるべきこと | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

ゴールデンウィークでみんな休暇を楽しんでいるというのに、財務省と日銀は休日返上で日夜為替介入に励んでいるようだ。そして今日、ついに1ドル153円まで円高に押し戻した。

 

もともと通貨の売買を行う為替市場というのは市場参加者の売りと買いの需給バランスによって為替レートが決まる。それに対して、為替介入というのは、一定の目的、すなわち円高にするのか、円安にするのかという目的のために、あえて巨額の売買注文を発注させて為替レートの相場を人為的に操作するもの。

 

1985年のプラザ合意で、アメリカのレーガン政権が欧州各国と日本の同意を得てドル売り(円買い)の為替介入に踏み切ったのが最初だったと記憶している。確か1ドル240円が1ドル170円台にまで一気に円高が進行し、日本は「円高不況」に見舞われるリスクに接した。

 

アメリカは人為的にドル安に誘導することで、貿易赤字を軽減することに成功し、巨額の財政危機を乗り越えた。しかし、金融市場がこのように政治的な手段のために人為的な操作を受け入れたことは歴史的にも大きな出来事だった。

 

さて今回の日本の為替介入は何が目的なのか? 財務省の神田財務官は「投機的な行き過ぎた円安には断固対応する」と言っているが、どの水準が行き過ぎなのかということを説明しない。1ドル153円ぐらいになったら、物価が下がって暮らしやすくなるのでしょうか? 

 

こういうことをいくら繰り返しても、根本的に日本の経済は回復しない。なぜか? 日本の多くの企業には「売るもの」が無いからだ。30年以上もの間、リストラに専念してきて何も新しい技術や製品の開発をしてこなかったのだから、当たり前と言えば当たり前だ。一方、金融は万能ではないし、経済の主役ではない経済の主役は働いてモノやサービスを提供してお金を稼ぐことである。官僚や政治家たちの小手先の操作で、それだけで景気が良くなるのなら、もうとっくに良くなっていてもいいはずだ。

 

休日を返上して働かねばならないのは財務省、日銀ではなく、日本の民間企業なのだ。観光地の賑わいは外人観光客に任せて、我々日本人は今こそ必死に働かなくてはならない。