アベノミクスと温度計 | 今、私が考えていること

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毎日の出来事を、新聞やネット上の記事からピックアップして、私なりの意見などを書き綴ります。

今国会では安倍派の自民党議員らを中心とする裏金問題の追及が続いています。私はそれよりも優先して追求すべき問題があると思うのです。

 

それは「アベノミクス失敗の総括」です。

現在の日本経済の不景気はアベノミクスの失敗によって解決困難な泥沼にはまっていると言っても過言ではありません。私はアベノミクスの失敗をいつも温度計と気温の関係になぞらえて説明します。この両者の関係は「気温が上昇したら、それにつれて温度計の針が上がる」ということは子供でも知ってます。しかしその逆に「温度計にドライヤーの温風を吹きかけて針を上げたら、気温が上がる」などと考える人は居るわけがありません。

 

しかしアベノミクスはそういう考え方をしていた。つまり、株価を上げればデフレが収まり、景気が回復するのだと。実際に年金資金などで株を買ったり、日銀がETF(上場投資信託)を買ったりしたことで株価を強引に上げました。しかし景気は一向に良くなりませんでした。本来は、景気が上向けば株価が上がると考えるのが普通です。だから、まずやるべきことは株価を上げることではなく、根本的な景気対策を実行することだったのです。その一番大事なこと、つまりアベノミクスで言うところの「三本の矢」の最期の三本目に当たる「具体的な景気対策」を決められずに、安倍さんは自ら退任してしまった。こんな無責任な話は無い。

 

日銀の黒田総裁がいくら金利をゼロやマイナスにしたところで、企業のマインドが冷え込んでいては、銀行からお金を借りて、新しい事業に取り組もうとはしないし、個人は生活の不安から無駄遣いせずにひたすらお金を貯め込むのは無理もない。

 

今回の日銀のマイナス金利政策解除は、金利を上げられる環境に戻したわけだが、アベノミクスの失敗で日銀には581兆円もの国債が積み上がり、EFT購入により71兆円もの株が積み上がっている。このままで金利を上げると、国債の価格は下落して日銀は巨額の含み損を抱えてしまうし、政府は国債の利払い資金が膨らんで財政難に陥る。また日銀が買いあさったETFは含み益が30兆円以上あるようだが、これを一度に売却したら株価が暴落してしまう。そうならないように少しずつ売却すると230年かかると言われている。これは紛れもない危機である

 

だから金利は上げられない。それを見透かした国際金融筋は円安は当分続くと読んでいるから、どんどん円安が進む。そうなれば輸入物価はますます上昇するから物価高が一層深刻になる。

 

つまり日本経済はにっちもさっちもいかない暗礁に乗り上げているようなもの。こんな状態を作ってしまったアベノミクスを自民党安倍派の国会議員たちは、どう国民に説明するのだ。マスコミにこの問題を報じないように圧力をかけ続けても、海外筋にはバレバレだからいずれ国内で大きな問題になることは明らかである。この問題の存在を知らない国会議員がいるとしたら、即刻辞表を書いてもらいたい。