ネットのニュースで、最近ラーメン店が相次いで倒産・閉店していると報じていました。その理由が物価高に起因しているのですが、ラーメンの食材の値上がりが大きくて、その結果今までの売値では利益がほとんど取れないという。ところが、その分を価格に転嫁しようにもこの業界には「1000円の壁」という不文律があり、それを超えると客離れが起きてしまうため、お店としてはどうしても踏み込めないのだそうだ。これはつまり、物価の高騰に対して日本人の所得が追い付いていないからだと私は思います。
先日YouTubeで「【破産】世界で1番物価が高いスイスが冗談抜きでヤバすぎて涙出る」という番組を見て、私はぶっ飛んでしまいました。これは実際にスイスの現地でいろんなお店をまわりながら、その価格を調べている番組なのですが、スイスではマクドナルドのビックマック単品が1200円(480円)、セットだと2430円(750円)、ナゲット5個は1200円(260円) ( )内は日本/東京の価格。
スイスは世界一賃金が高い国で平均年収は1350万円。日本は約400万円ですから約3倍以上です。それを考えるとマクドナルドの価格は頷けます。ちなみに、マクドナルドの店員の時給は4200円と張り紙が出ていたそうです。日本だとだいたい1000円ちょっとぐらいですからね。
さらに日本食となるともっと高くて、牛丼やラーメンは1杯4200円です。おーいお茶が700円/本。
これだけの価格水準の格差があるのですから、海外から日本に観光に来た外国人が日本で喜んで買い物をしたり、食事を楽しんでいくのも当然だと思いますよ。たとえばビックマックは日本では480円なのに、旅行先の国ではなんと200円ぐらいで売っていたら、財布が喜びますからね。ラーメンだって、冒頭のラーメン店の苦悩を考えると頭がおかしくなります。だって、1杯800円ぐらいでラーメンが食べられるのですから、外国人観光客にしてみれば嘘のような話です。
そういえば先日東京の豊洲にオープンした「千客万来」では海鮮丼が1杯6980円です。それでも外国人は高いとは言いません。でも我々日本人には手が届きません。
こういう話を聞けば、今の日本が如何に世界の経済から取り残されているのかがわかると思います。
日本政府と財界は30年以上にもわたって国民の賃金を1円も上げなかったどころが、むしろ下げてきたことの異常さを日本人は知らないのです。こんな状況で日本人が海外旅行するのは、円安の影響も加わり、最悪です。春闘で「賃上げ要求5%以上」を掲げている連合の見識のなさには唖然とするばかりです。そりゃあ企業の経営者は喜んで連合の芳野会長と抱き合って握手しますよ。海外から見たら「日本人はアホなのか?」と思われますよ。
