松野官房長官が裏金を受け取り収支報告書に記載していなかったこと。本人は職責を全うしたいと言って今の職に留まるつもりのようだが、あなたにはその資格はない。岸田内閣と自民党はこの事件で激震の渦中にある。
一方日本経済は日経平均株価が連日500円を超える値幅で乱高下。円ドルレートは日銀がいよいよゼロ金利解除を決断するのではないか?という思惑から金利上昇が期待され、円を買う動きが活発になり、円高に急進。日本の金融市場は海外投資家のおもちゃになって振り回されている。
経済音痴の安倍政権がしでかしたアベノミクスの大罪。それは30年以上もの間、国民の賃金を凍結し、金利をゼロに据え置いたこと。日本人の所得水準はもはや先進国のレベルでは無い。先進国は日本の2倍の水準にある。
実は安倍さんのシナリオはこうではなかったのだと思う。当初はゼロ金利と賃金抑制で企業の体力回復を図り、その後景気が回復することで所得も増えると考えたのだろう。これは半分成功し、半分失敗した。企業はゼロ金利と雇用抑制・賃金抑制で儲かることに味を占めてしまった。だから賃金を上ずに儲かった金を内部留保として溜め込んで、株主への配当金や株価上昇を図った。
私は企業経営者に問題ありだと思う。今でも空前の好決算で莫大な利益を上げているのに、賃金はなかなか上げない。今の大企業は国内消費者を当てにしていないからなのだ。欧米や中国で売って儲けているから、国内消費など関心がない。
加えて生産部門も海外に主力を移しているから、国内労働者の賃金など視野に置いていない。昔の日本の企業は社長が親父のような存在で、従業員は社長の為に働き、社長は従業員を大事にした。そういう家族的な関係により企業が一つにまとまり、みんなでよいものを作ろうという雰囲気に満ちていた。
ところがバブル経済でその様相は一変してしまった。特にバブル崩壊後のリストラで企業は従業員を容赦なく切り捨てた。カルロスゴーンが手本を示したようなもの。でも彼は結局は悪人に過ぎなかった。
内部留保に課税するしかない。「金融資産税」という話が以前あったが、財界の抵抗が強くて廃案になった。確かに二重課税だからだ。しかし世の中から儲けたお金を世の中の為に使わないのは罪だ。
私はそう言いたい。お金は使ってこそ価値がある。
